「配属ガチャ」に対応!新卒採用はここまで来た、Z世代に多いタイプは「やりたいこと至上主義」だった
10月初旬、多くの企業で内定式が行われた。日本経済団体連合会(経団連)が中心となって定めた「採用選考に関する企業の倫理憲章」にのっとれば、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降となる。就職活動で内々定を得ていた学生は、この日を経て晴れて「内定者」となる。 【図で見る】Z世代とゆとり世代が就職先に求めるものは、ここまで変わった リクルートの就職みらい研究所の「就職プロセス調査」によると、2025年卒の大学生の就職内定率は10月1日時点で95.9%。現行の就活スケジュール(大学3年生の3月採用広報開始、4年生の6月に採用選考開始)となった2017年卒以降で、過去最高値となった。
企業の採用意欲の高さから、2025年卒の就職活動は学生優位な「売り手市場」の状況が続いており、平均内定取得企業数(2.52社)、内定辞退率(66.2%)も例年と比べて高めの水準となっている。 ■10年間で指向が変わった にもかかわらず、今年は4月に新卒入社した社員が短期で離職したケースを報じるニュースが目立った。突然辞める若手社員はなぜ多発しているのか。 背景には、若者の指向の変化がある。現在の大学生やここ数年で入社した若手社員の多くは、1990年代半ばから2010年代序盤生まれの「Z世代」だ。この1つ上の世代が1987年から1995年生まれの「ゆとり世代」。前者に当たる「2024年に新卒入社した世代(2001年前後生まれ)」と、後者に当たる「2015年に新卒入社した世代(1992年前後生まれ)」の価値観を比較したのが、下表の調査だ。
表では「所属する組織に何を求めるか」「組織の何を重視するか」という指向性を表す、8つの項目を分析している。Z世代は「制度待遇」「施設環境」が目立って高くなっており、「会社基盤」を選ぶ率も高くなっている。「納得感のある評価・待遇が得られ、仕事がしやすいホワイトな環境と安定性のある仕事がしたい」ことが読み取れる。 調査を実施したリンクアンドモチベーションに所属し、『Z世代の社員マネジメント』を著した小栗隆志フェローは「ブラック企業という言葉が流行した時期に多感な10代を過ごした結果も大きいが、キャリア投資に対する回収意識の期間が短くなっていることも大きいと思う。目の前の仕事に対して即時報酬を求めている傾向がありそうだ」と分析する。