「オーディションの手応えは全然」悪役演じた渡辺謙が語る『ライオン・キング:ムファサ』
1994年にアニメーションとして誕生した、キング・オブ・エンターテイメント『ライオン・キング』。1997年にはブロードウェイでミュージカル版が、2019年にはリアルを超えた超実写版『ライオン・キング』が公開されました。ミュージカル版は、現在もブロードウェイで上演されており、日本でも劇団四季が1998年からロングラン上演しています。 【写真】渡辺謙が語る『ライオン・キング:ムファサ』オーディション秘話 そして誕生から30周年となる記念すべき今年、『ライオン・キング』の主人公シンバの父であり、偉大なる王であるムファサ、後にスカーとなるタカの若き日を描いた、『ライオン・キング:ムファサ』が公開に。同作の超実写プレミアム吹替版で、世界的俳優である渡辺謙さんが、ムファサとタカを執拗に追い掛け回す冷酷な敵ライオン・キロスの声を担当します。 実は渡辺さん、ディズニーの作品にかかわるのは、意外にも今回が初めてだとか。完成した映画を観たばかりの渡辺さんに、同作への思いを語ってもらいました。前編では、久しぶりに受けたというオーディションの話から。
「久しぶりにオーディションを受けました」
──今日はどうぞよろしくお願い致します! 渡辺よろしくお願いします。ところで、映画、もう観た? ──はい、先日拝見させてもらいました。 渡辺どうでした、良かったでしょう(笑)? ムファサ役の尾上右近くんとタカ役の松田元太くん、ふたりとも素晴らしくて。いつの間にかふたりの存在を忘れて、ムファサ、タカとして観ていました。ミュージカルにもどんどん出演してほしいって思いましたね。 正直言えば、僕は完全に字幕世代。映画はオリジナル言語で、オリジナルの俳優の言葉で観たいタイプなんです。でも疾走感があるこの作品は字幕がなかなか追いきれないんじゃないかな(笑)。映画のプロモーション云々ではなくて、この作品は吹替をオススメします。歌もね、英語で書かれた歌詞に付けられた曲なのに、違和感がないんだよね。 ──謙さんのキロスも素晴しかったです。冷酷で、どこか浮世離れしていて。そもそもディズニー作品に携わるのは今回が初めてと伺って、少し意外に感じました。 渡辺これまで声がかからなかっただけです(笑)。 ──(笑)ディズニー作品は、オファーがあっても、最終的にはオーディションで正式決定となりますよね? 謙さんもオーディションを受けたんですか? 渡辺そうです、オファーをいただいた際、「ただオーディションがあります」と言われて、「わかった、やるよ」と(笑)。そんなわけで、久しぶりにオーディションを受けました。