没後10年、高倉健が愛したカレーライスの作り方「週一回は、このカレーがいいな」 共に暮らしたパートナーが明かす
最後の映画スター・高倉健さんが83歳で逝去されて10年が経ちました。1996年に知り合い、17年寄り添ったパートナーの小田貴月さんによる、家庭料理を紹介したフォトエッセイ集『高倉健の愛した食卓』が刊行に。毎日の食事だけでなく、夜食やスイーツまですべて手作りだったというお家ごはんの内容をご紹介します。 【書影】健さんの食にまつわるエピソード満載の心和む1冊『高倉健の愛した食卓』 * * * * * * * ◆わが家のカレーライス 「ロケ先で食べるのは、やっぱりカレーが一番多かったかな。完全に火が通っていて煮込んであるし、何てったって外れが少ない。これ美味いよ。週一回は、このカレーがいいな」 高倉が大好きだったわが家のカレーライスは、市販のカレールーを組み合わせてやや辛口に仕上げました。 オイルは、匂いが少ないグレープシードオイルを少々、にんにくと生姜で香りを引き立たせてから、肉そして、野菜を炒めます。肉から出る油もご馳走です。 その油で野菜を炒め、その時の気分でクミン、コリアンダー、シナモン、ナツメグ、オールスパイスなどの香辛料も加えることがありました。 カレールーを加えて煮込んでから、仕上げの隠し味に穀物酢とケチャップを少量ずつ。 肉は豚肉、牛肉、鶏肉、時には魚介類など変化を持たせ、自家製ナンを焼いて添えることもありました。 「ピザの焼き窯があったら、このナン、もっと美味しくなるかな。キッチン、改造したくなるね」 ※本稿は、『高倉健の愛した食卓』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。
小田貴月