企業がスポーツを通じてみらいを担う子どもたちを支援する想いとは?〔後編〕
全国の学童野球チームが頂点をかけて争う「第5回くら寿司・トーナメント2024 第18回学童軟式野球全国大会ポップアスリートカップ星野仙一旗争奪」のファイナルトーナメン トが昨年の12月21日、22日に明治神宮野球場で行われた。同大会を2020年の第14回大会から特別協賛し、冠スポンサーとして大会を支えているのが回転寿司チェーン「くら寿司」を運営するくら寿司株式会社。今回は広報宣伝・IR本部の広報部の小山祐一郎さんに、同社が学童野球大会を支援する理由や大会への思いを聞いた。
今回の「くら寿司・トーナメント」は過去最多の1590チームが出場し、全国各地で予選を経てファイナルトーナメントが実施。プロ野球の東京ヤクルトスワローズの本拠地であり、東京六大学野球も行われる神宮球場での開催は、子どもたちにとっての財産になると小山さんはこの大会が持つ価値について言及する。 「東は神宮球場ですし、西だったら甲子園。ここは子どもたちが憧れる場所だと思うんです。神宮のグラウンドでできることは子どもたちにとって“やりがい”。自分が憧れているプロ野球選手がプレーしている場所だし、プロまで行かなくても大学で野球を続ける子たちにとっても憧れの場所ではないでしょうか。普段は学校のグラウンドや河川敷のグラウンドで白球を追いかけている子たちが、こういう立派なグラウンドでできるというのはやりがいになっていると思います」 2020年から大会の協賛として加わってきたくら寿司だが、小山さんはメディアでの露出や保護者からの反応により、「くら寿司・トーナメント」が育ってきている実感を得ているという。そのなかで、参加費を設けず無料での開催となっている本大会の将来的なあり方や目指す場所はどのように考えているのか。 「私たちは(運営側ではなく)サポートする立場として言わせてもらえば、どんどんチーム数が増えて認知が高まっていくことは期待したいですし、大会に参加する人が増えて知名度が高まるにつれてレベルも上がっていくと思うんです。レベルが上がって競争力が高まれば、野球の底上げにつながって、日本野球界のレベルアップにもつながっていく。そういったところを微力ながらでも支えることができれば、それは光栄なことだと思います」 現代は少子化が進んでいることに加えてさまざまなスポーツが台頭している背景がある。2023年には10代の野球の推定人口が174万人(笹川スポーツ財団調べ)とされ、2001年の282万人からおよそ100万人の減少が伝えられている。競技人口減が叫ばれる今の時代においても、小山さんは日本という野球大国が持つ普遍的な力については前向きな想いを抱いている。 「日本を世界的な立ち位置で見たときに、野球は世界に誇れるスポーツのひとつ。確かに学童野球の競技人口が減っている現実はありますが、だからこそ実際に大会を運営していただいてる方や、私たちのような民間の会社が一緒に連携しあうことは、持続可能な野球界の発展にも繋がっていきます。私たちがリーチできる層として『学童野球』のジャンルは親和性が高い。『くら寿司・トーナメント』を通して少しでも野球に関わる子どもたちが増えていけばいいと思っています」