「一人暮らし未経験の男性」が陥りやすい失敗とは…“子供部屋おじさん”が婚活で不利になる納得の理由
女性は「母親との距離の近さ」がネックになりにくい
もっとも、私の相談所では女性会員の方がお母様との距離が近かったり、箱入り娘として扱われ続けてしまった方が多くいらっしゃいます。けれども女性会員の場合には、そのことが婚活に悪影響を及ぼすことが少ないのです。 考えられる理由は2点あります。ひとつは、「嫁入り」文化が大きく廃れた現代においても、「嫁姑問題」はまだまだ多発するものであるため、「家族との距離感」を注視する女性が男性よりも多いこと。 女性が家族との距離が近くても、多くの男性視点ではむしろ「家族仲がいい」「家族思い」と、良く言えばのほほんとピュアに受け止めるだけです。悪く言えば「精神的自立への危機感」を持つことが稀なのです。 もう一点は、家事への危機感の大小。共働きを前提として相手を探す人が男女ともに多いなか、女性は「私も同じように働いたり子育てしたりするのに、妻だからと家事を全面的に押し付けられては困る」との警戒心が強いゆえかもしれません。 この男女における非対称性の是非の問題もありますが、ここでは一旦措いて、現状に即した対策を、エピソードを介して考えていきましょう。
息子を“夫”扱いしてしまうケースも
実家暮らしながらもミドサーにして、年収2000万円の元男性会員の事例をご紹介します。彼は、見た目やコミュニケーション能力については程々でしたから、住まいの点で減点されてしまっても、お見合いや仮交際は難なく成立していきました。 しかし、仮交際から進展できないのです。結婚相談所での仮交際とは、一般社会での「交際前のデート期間」に相当するもの。つまり、数回のデートで見切りをつけられてしまう状態が続いていました。 原因を探らねばとカウンセリングを行っていたところ、耳を疑う発言が。 「昨日スーパー銭湯へ行く前に、お母さんに3,000円渡してもらったときのことなんですけど~……」 なんとお財布の管理をお母様に任せていました。しかも三人称としての母、母親の呼称が「お母さん」。まったく恥ずかしげもなく、当然のこととして、話してしまうのです。 食事の用意や洗濯に掃除など、基本的な家事もお母様に頼りきりとはもともと聞いていたので、「家事への意欲は持ってください! そして意欲を持っているとアピールして」とアドバイスをしていましたが、これでは焼け石に水。 名のある家事をしているしていない以前に、大人としての境界線を越えた世話を焼かれていることに一切の自覚がありません。デート中の会話でも、こうして墓穴を掘ってしまっていたのでした。 専業主婦として、長年お父様を支えてこられたお母様。夫に先立たれてしまったことで、ケア対象が息子へと移行してしまったようです。 けれど、夫婦関係と親子関係は別物であり、親の立場としては子の自立を促す必要があります。「息子さんの結婚を応援したいなら、もう息子さんのことを放っておいてください」と、お母様にお伝えしました。