老後、厚生年金「月額30万円」は可能なのか。会社員として40年間、平均年収いくらで働き続けたら達成できる?
厚生年金の平均月額は「14万3973円」
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は14万3973円でした。(※国民年金を含む) ・男女全体平均月額:14万3973円 ・男性平均月額:16万3875円 ・女性平均月額:10万4878円 男女の平均年金額を見ると、約6万円の差があり、個人や性別によって受給額に大きな違いがあることがわかります。 これは、現在のシニア世代が現役だった時代、共働き世帯が少なかったことや、女性が結婚や出産を機に厚生年金の加入をやめるケースが多かったことが背景にあります。 また、当時の男女における収入格差も年金額の差に影響を与えていると考えられます。 では、平均の約2倍となる30万円もの年金を受け取れる人は、どれほどいるのでしょうか。 次章では、具体的な年金受給額についてさらに掘り下げていきます。
年金「月額30万円以上」を受給する人はどのくらいいる?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、年金受給額ごとの人数も知ることができます。 【年金受給額ごとの人数一覧(男女全体)】※下記の厚生年金月額には国民年金部分を含む ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 年金「月額30万円以上」を受け取っている人数は1万2490人(0.08%)であることがわかります。 男女別に見ると、年金「月額30万円以上」を受け取っている男性は1万2164人(0.11%)、女性は326人(0.01%)です。 このように、年金を月額30万円以上受け取っている人は、全体の1%にも満たない高額受給者であり、多くの人にとっては手が届かない金額と言えるでしょう。 では、現役時代の年収がどれくらいであれば、月額30万円以上を受給できるのでしょうか。 今からでも目指せるのかについても、次章で詳しく見ていきましょう。