【全文】BBC日本語版開設(下)「ニュースの信頼性の源泉は組織か個人か」
■質疑応答
司会:ありがとうございました。それでは皆さま、ゲストの皆さま、大きな拍手でお送りください。ありがとうございました。 ニュースメディアの現状から未来について、非常に興味深いお話をお伺いいたしました。まだまだお伺いしたいところではありますが、お時間がきましたので、これでパネルディスカッションを終了とさせていただきます。 それではここからは質疑応答のコーナーに移らせていただきます。本日の会見内容にご質問がある方は挙手をいただきましたらスタッフがマイクをお持ちいたします。御社名とお名前をお伝えいただきましてご質問内容をお願いいたします。それではご質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。はい、それでは正面向かって右側の方にお願いします。
なぜこのタイミングでの日本語サイト開設?
フリーランス・堀氏:フリーランスの堀といいます。よろしくお願いします。なぜこの今のタイミングでBBCの日本語サイトのオープンだったのか。僕、前、NHKで働いていましたので、NHKとBBCとの協力関係というのは非常に実感をしているんですが、今のこのタイミングでの発進の理由、日本が変わったのか、それともBBCとしての考え方が変わったのか。もう1点は、そうなってくるとコンペティターはいったい誰なのかというところについてぜひ教えてください。 イーガン:まず最初のクエスチョン、なぜこのタイミングかということなんですけども、日本っていうのはBBCにとって大変重要な市場でありました。従って20年間に及んでBBCのテレビチャンネルを日本語に通訳いしてるわけです。BBCは2015年、BBCのそういったオンラインサイトっていうのは以前からあったわけなんですけれども、なぜ、じゃあ今かといいますと、デジタルプラットフォームによるニュースの消費が非常に拡大しているからであります。 また、デジタルおよびソーシャルメディアの台頭もその1つの原因です。YouTube、そしてTwitterアカウントをBBCが開設いたしました。それらを組み合わせることによって、新しい視聴者を取ろうとしています。Yahoo!やSmartNewsのような視聴者にもBBCのプラットフォームでニュースに触れていただくというのが目標ということでございます。これは私どもにとって非常に良いビジネスモデルであるっていうことであります。従って、ここが今が適切な時期であると、時宜を得た判断であるということになります。 さて、後半の質問なんですけども、競合は誰であるかということなんですけど、これは単刀直入に申し上げられないんですけれども、私どもは国際的なニュースプラットフォームを持っているわけであります。従って、国内のニュースメディアとは直接は競合しません。米国においても、あるいは日本においても、あるいはヨーロッパにおいても、あるいはアジアの各国においても、国内の、ドメスティックのニュース、メディアとは競合しません。われわれはさまざまな市場において進出しようと考えているわけです。 もちろん競合っていうのは必ずしも伝統的なニュースの組織ではなく、例えば国際的な放送機関等、競合しておりますし、例えばニューヨーク・タイムズあるいはフィナンシャル・タイムズ、彼らも国際的なビジネスを展開しておりますので、彼らも競合ではあります。しかし、私どもは非常に熾烈な競争を展開してるんですけれども、しかしながら世界の見方、あるいは、例えば編集の質という点では共通項がたくさんあるわけであります。従って競合ではあるし、またパートナーでもあるということであります。 司会:続いて質問がある方、いらっしゃいますでしょうか。中央の方にお願いします。