【危険!】子どもひとりでトイレに行かせないで! 防犯のプロが「トイレと公園が最も危険な場所」と語るワケ
「”不審者に気をつけなさい”という日本の防犯は時代遅れであり、危ない”場所”に気をつけるのが世界の常識」--犯罪学教授の小宮信夫先生に、目から鱗の防犯知識を教えてもらうこのシリーズ。最終回の今回は、長年の研究でわかった危険な場所=「入りやすく・見えにくい場所」の中から、子どもを狙う犯罪者が好む「とくに危ない場所」について、お話を伺いました。 【危険な場所をチェックする】日本の防犯では子どもを守り切れない!? 世界の常識で「不審者」よりも避けるべきとされている“場所”とは
交通事故防止のためのアレが、犯罪者にとっての目印になっていた!
魚釣りをする人は魚がいそうな場所に行きますよね。それと同じで、子どもを狙う犯罪者は子どもがいそうな場所に行くんです。なので、学校周辺、団地、公園。この3つが犯罪者の大好きスポットです。子どもが一番いそうですから。 通学路も狙われます。なぜピンポイントで狙えるかというと、犯罪者は通学路の標識を目印にしているからです。「あ、ここは子どもが通るんだな」と。 似たような理由で、まず狙われるのは「黄色い帽子」と「黄色いランドセルカバー」を身につけた子どもたちです。だって一番だまされやすいじゃないですか、1年生ですから。実際に、複数の誘拐犯がそのように供述しています。犯罪者からしてみれば「一番だましやすいのはこの子たちですよ」という目印になっているんです。 前にもお話ししましたが、子どもの誘拐事件の8割はだまされて連れていかれています。無理やり手を引っ張ったりしないのです。 なので、私はこの黄色い帽子やカバーはやめたほうがよいと思っています。事故防止のためであれば、1年生から6年生まで、すべての児童が「黄色」をつけるべきです。今のように、1年生だけ区別して、犯罪者の標的にされやすくしている意味が分かりません。
日本の子どもにとって最も危ない場所は公園とトイレ
前回、海外では防犯の第一次責任は自治体にあるので、街づくりの段階で防犯が徹底されている、というお話をしました。 例えば、公園を作る際のレイアウト。広々とした公園でも遊具は1か所に集められ、その周りをフェンスで区切ってあります。関係のない大人がフェンスの中に入ると違和感が生まれるように、すなわち「入りにくく」しているのです。 これを「ゾーニング」と呼んでいます。子ども向けゾーンと、大人向けゾーンをはっきり区別して、ゾーン・ディフェンスしようというわけです。 日本の公園では、遊具は散らばっていて、近くにベンチもトイレもあって、すべてを「みんなで使いましょう」という仕様になっています。これでは、どこに犯罪者がいても違和感は生まれないですね。つまり、入りやすい場所ということです。 海外では、公園のどこにトイレを配置するか、ということにも神経を使います。 壁で区切られた空間であるトイレは「見えにくい」ため、犯罪が起きやすいからです。 海外に行くと、トイレの個室のドアの下側が大きく開いていることが多いですが、あれは「見えやすく」するため。足が4本見えたら、排泄以外のことが行われていると疑うことができます。 日本では防犯面を考慮して作った公園やトイレはほぼありません。そのため日本では、公園とトイレほど危険な場所はないと言えます。