【危険!】子どもひとりでトイレに行かせないで! 防犯のプロが「トイレと公園が最も危険な場所」と語るワケ
ライン1つで学校を「入りにくい」場所にすることも可能
最後になりますが、私のアドバイスをもとに、全市に取り組みを広げた藤沢市の学校の例をご紹介したいと思います。 藤沢市の小中学校では、校門から校舎玄関まで、地面にオレンジ色のラインが引かれています。 これは、学校に侵入した犯罪者がとっさに「受付に行こうと思ったのですが、どこかわからなくて」などと言い訳をする余地をなくすためです。 犯罪者が侵入するかどうかを判断する基準は、「見つかったときに言い訳ができるかどうか」。誘導ラインのない学校であれば、教職員に見つかっても「迷ってしまった」という言い訳ができますし、おそらくそれで咎められることもないでしょう。 しかし誘導ラインのある学校では違います。 来校者はラインの上を歩くでしょうし、受付がどこか迷うこともありません。ラインから外れただけで「不審な行動」とみなすことができ、見つかった際に言い訳することもできません。また、ライン上にいるかどうかは子どもでも簡単にわかります。 言い訳しにくいと思わせることは、「入りにくい」場所にするということです。こうやって、ライン1本で心理的に「入りにくい」場所にすることが可能なのです。コストもあまりかかりません。 街づくりから変えていくのは時間もお金もかかりますが、多くの人が正しい防犯の知識を持ち、意識を変えるだけで、安全性を高めることは可能です。 「不審者に気をつけなさい」と、「人」に注目している限りは犯罪を防ぐことができません。正しい防犯の知識とは、入りやすく見えにくい「場所」に注目すること。そして、景色を見てそこが安全か危険かを見抜く「景色解読力」を身につけることです。