阪神・井坪陽生が「一気に1軍に定着できるように」と近本光司らに〝宣戦布告〟 藤川阪神の初得点を演出
阪神秋季キャンプ(9日、高知・安芸)2度目の紅白戦が行われ、紅組が白組に4―0で勝利した。紅組の「3番・中堅」で先発した井坪陽生外野手(19)が一回に先制の二塁打を放ち、藤川阪神の初得点を演出。来季高卒3年目の若虎が、近本光司外野手(30)らが立ちはだかる外野争いへ挑戦状をたたきつけた。 鋭い打球音が晴天の安芸を貫く。左翼で勢いよく弾む打球に5700人のファンから大きな拍手が上がった。19歳の井坪が藤川阪神の初打点を記録。1軍定着に向けて、印象深い一打を放った。 「(体制が)変わったときがチャンスだと思う。ここで一気に1軍に定着できるように」 3番を任されるとアピールチャンスは一回から訪れた。1死二塁で打席へ。津田の148キロの直球を狙い通り捉えた。左翼線に運ぶ二塁打で佐藤輝が生還。3日の紅白戦は0―0で終わった中、今キャンプで初めてスコアボードに1を刻んだ。 「真っすぐに遅れないように、変化球よりは、まず真っすぐをしっかりはじきかえすこと(を意識していた)」 2023年ドラフト3位で関東第一高から入団。この2年間はウエスタンで経験を積んだ。今季は105試合に出場し、301打席に立って打率・275。藤川監督は井坪について「ものすごく能力が高いことを重々分かっているし、チームとしても非常に今後大事な存在になる選手」と高く評価。「監督も打撃コーチも新しく交代したタイミングなので、そういう部分ではもう一歩、大人への成長といいますかね、次のステージに上がるチャンスはある」と来春の1軍キャンプ行きの可能性をにおわせた。 外野争いは熾烈だ。この日、井坪が任された中堅には近本が君臨し、右翼は同期の森下がいる。左翼は今季ブレークした前川に加え、野口や井上、豊田らも控える。新監督就任というだけで白紙に戻ることはないハイレベルだが、井坪がこのチャンスをつかめばプロの世界で生きていける。 井坪は今キャンプで力を抜いて打席に立つことを意識している。「バットがスムーズに出るようになったかな」と手応えを感じながら、どん欲な姿勢を強調した。