「もったいないお化けが出るよ」と言っていませんか?子どもが食べ残しをする4つの理由と対応方法
【2:時間と量の問題】 二つ目は時間と量が適切でないケース。朝昼晩の食事のリズムが崩れてしまい、食べるべき時に食べられなくなってしまっている状態のこともその1つです。 たとえば、お子さまが夕ごはんをあまり食べなかった時に、栄養がとれているかや、おなかが空いてしまわないかが心配で、何時間後かに補食やおやつを出したりしていませんか? これは、食事のリズムを乱すことにつながってしまうため要注意。くり返していると、子どもも「夕食を全部食べなくても、あとから好きなものを食べさせてくれるからいいや」「とりあえず、好きなものだけ食べておけばいいや」となってしまいます。よかれと思ってやっていることが、裏目に出てしまうんですね。 そもそも、多くの子どもは出されたメニューを食べる時の順番が、次のように決まっています。 ・まず、好きなものを食べる ・次に、食べたことがあるものや、食べられそうなものを食べる ・最後に、苦手なものや、見慣れないものを、つんつんしたり、においをかいだりして食べられるかもと思ったら口に入れる 子どもは、基本的には好きなものから食べます。好きなものを食べても、まだおなかが空いていれば、他のものにも手を伸ばしてみようとする余地が生まれます。それなのに、好きなものだけ食べて、苦手なものは食べ残しても、あとから補食や好きなおやつが出されるのであれば、どうなるでしょうか。好きなものだけを優先して食べてしまい、好きなもの以外を食べる理由がなくなります。そのため、晩ごはんを食べられなくても、食事のあとから好きなものが食べられる状況をつくるのは避けましょう。
【3:感覚的な問題】 食べ残してしまう理由の三つ目は、見た目やにおい、食感、温度などが合わないことです。同じ食材でも、見た目や食感が違うと食べられないといったケースなどがありますよね。たとえば、じゃがいもの場合、フライドポテトのようなスティック状のものなら食べられるのに、肉じゃがのようなごろっとしたものだと食べられないということなどがあるでしょう。感覚は感じるお子さまによってさまざま。保護者のかたからすると同じじゃがいも料理でも、お子さまにとっては、まったく別物に感じられることもあるのです。 まずは、見た目であれ、形であれ、食感であれ、お子さまの好きな感覚を理解するようにしましょう。そうすれば、苦手な食材の克服に役立てられます。私は講演会でもよく「苦手なものでも、一口は食べさせたほうがいいですよね」と質問を受けるのですが、そんなことはありません。苦手なメニューは無理してがんばらせなくていいんです。そうではなくて、好きな感覚や調理法に近付ける工夫をしてあげることが大切です。 たとえば、フライドポテトのようなスティック状で揚げたものが好きなお子さまであれば、苦手なにんじんにトライする際、同じようにスティック状に切って揚げてみる。そうすれば、口にすることへのハードルが下がるはずです。 未就学児や小学校低学年くらいであれば、食材を判別して好き嫌いを分けているというよりは、においや形、食感といった感覚で好き嫌いを選別しています。食材で選別するのは、もう少し大きくなってから。そのため、苦手なものを好きな感覚のものに近付けるというのが効果的です。