「もったいないお化けが出るよ」と言っていませんか?子どもが食べ残しをする4つの理由と対応方法
【4:知らないという問題】 四つ目は、食べたことや見たことのない知らない食べ物だから食べられずに残してしまうというものです。大人でも海外旅行などで未知の食べ物に出合うと、食べるのに抵抗感が生まれますよね。子どもならなおさらでしょう。それなのに「一口、食べてごらん」と促されても、怖さや不安が増すばかりとなってしまいます。 大切なのは、ハードルを下げスモールステップで見知らぬ食べ物にアプローチする方法を教えてあげることです。「一口食べて」というより「においかいでみたら?」「ペロッとしてみたら?」というほうが抵抗感は少ないですよね。それで大丈夫そうだったら「いけそう? そしたら、かじってみたら?」と段階を踏んでいってあげましょう。 私の著書『食べない子が変わる魔法の言葉』でも、このアドバイスを紹介したのですが、読者のかたや講演会の参加者のかたから「口を付けるようになりました」「すごく食べるようになりました」と驚くほど多くの反響をいただきました。ハードルを下げて抵抗感の少ない提案をすることは、大人の私たちが想像する以上に効果があるようです。
食べ残しの理由を判別するには?
お子さまの食べ残しは、上でご紹介した食べられない理由のどれに当たるかを見極め、それに応じた対応をしてあげることが大切。とはいえ「どうやって理由を判別すればいいかわからない」ということもあるでしょう。 そこで、私の著書『子どもも親もラクになる偏食の教科書』にあるチェックリストをご紹介します。お子さまの状態に合ったものをチェックし、食べられない原因が「機能的問題」「時間と量の問題」「感覚的問題」のどこにあるのかを見極めることにお役立てください。なお「知らないという問題」については、初めて食べるものや見たことのない料理が当てはまるので、チェックリストは割愛しています。 機能的な問題 □ ほとんどかまずに丸のみしてしまうことがある □ 口に入れてもベーっと外に吐き出すことがある □ パサパサしたものや繊維の多い食材をよく残している □ 顎の骨格や歯列に問題がありそう 時間と量の問題 □ 食卓に初めてのものや苦手なものが1つも並んでいない □ 好きなものでおなかをいっぱいにしている □ お菓子やジュースは、好きな時に好きなだけ食べられる環境にいる □ 食べる時間と食べない時間が明確になっていない □ ごはんを食べなくても、あとで食べられる時間がある 感覚的な問題 □ 同じ食材でも少し見た目が変わると食べられない □ 食感により「食べる、食べない」がはっきりしている □ 単品なら食べられても混ざると食べられなくなる食材がある □ 特定の好きな味付け以外は食べられない □ 周りの子の《好き嫌い》よりも明らかに食べられるものが少ない 「食べられずに食べ残す」という状況1つとっても、原因はさまざま。そこを差し置いて「もったいないお化けが出るよ」と伝えてみたところで、お子さまは自分ごととして考えることは難しいでしょう。まずは、お子さまの食べられない原因を取り除いてあげて、食べることを安全安心に楽しめるようにしてあげたいですね。