「這い上がらない哲学」で準優勝した“驚く芸人道”ーーマシンガンズが体現する「流されて生きて“受け身の姿勢”で成功を掴む」方法とは?
土田晃之さんは、カラッとしているんですよ。若い頃に早い段階でガッと売れて、ずっと第一線だから。土田さんってエリートなので、「ドンマイドンマイ、頑張れ!」という感じです。『さんまのお笑い向上委員会』みたいなバラエティで現場が一緒のときは、自分たちが前に出られるようにパスを出してくれたりして。ガチで説教されたのは、(寺門)ジモンさんだけです(笑)。 ■何かと気に掛けてくれる小池栄子さん あとは、小池栄子さん。『世界一難しい恋』で共演して以来、何かと気に掛けてくれて。『行列のできる法律相談所』で、世間的には全然関心がないはずの西堀の名前を出してくれたこともありますし(2018年)、もともとは出番がなかったドラマでプッシュしてくれたり。
年は俺のほうが上ですが、食事に誘ってもらったりとか、舎弟のような感じです。何ででしょうね。野心がなくて暑苦しくないからかな。すぐ腹を見せる吠えない犬みたいな。「西堀さんといると、自分がちゃんとした人間に見える」って、小池栄子は言ってました。 我々芸人は、お金がなくても好きだから芸人生活を送ってこられたけど、普通に働いている人たちはたぶん違いますよね。芸人は最初から荷物をほとんど持っていなくて、失うものがなさすぎる。ちっちゃなポーチくらいなんです。
みなさんはいっぱいあるじゃないですか。職歴だとか、社会的立場だとか、交友関係だとか。現状に不満があったとしても、それはやっぱり、なかなか手放しにくいですよね。 『DIE WITH ZERO』という、お金の貯め方じゃなくて、使い切り方を指南した本がベストセラーになっているみたいですが、芸人は“ゼロで死ぬ”以前に、その前からゼロだったりしますからね(笑)。俺なんかは本当にそうでした。 これまでは、売れない芸人はお笑い界からいなくなっていたんです。続かない。みんな辞めちゃってた。だから、お笑いライブに無名の40歳以上が出ていること自体がなかったですし、売れていない50歳とかいなかったんですよ。こういう“居方”ができるのも、ちょっと世論が緩くなったというか。「ダブルワーク」みたいな都合のいい言葉も出てきたりして。