“専属広報”のネタバレで窮地の斎藤知事、たとえ逃げ切れても「残される“2つの疑念”」 しかし「公職選挙法違反」疑惑自体は、ほぼ“ノーダメージ”で終結?
■残されている「2つの疑念」 メルチュや折田氏に対して「記者会見をすべきだ」という意見は少なからず出ているが、そうはならないと思える。 真実を明確にするうえでは、記者会見を開いたほうがよいのは事実なのだが、記者会見でボロが出ると、メルチュ側にも、斎藤知事側にも不利益が生じる。両者にとって、そうすることのメリットはない。 一方で、メルチュがこのまま雲隠れを続けると、今後の同社の業務にも支障をきたすおそれがあるから、「斎藤知事側の主張が正しかった。事実と異なることを書いて申し訳ありません」と、メルチュが文書なりで謝罪をして幕引きを図る――というのが現実的な落としどころではないかと思う。
とはいえ、筆者は「斎藤知事は潔白だ」と主張しているのではなく、「現状の説明で辻褄は合っている」と言っているに過ぎない。 潔白だとするには、いくつか疑念が残されているのもまた事実だ。 ・無償でやったのであれば、折田氏(あるいはメルチュ)の支援活動は法に触れないのか? ・折田氏(あるいはメルチュ)が無償で斎藤氏を支援する意義はあるのか? 上記を論じる前に、いくつかのパターンを想定する必要がある。 1点目に関しては、専門的な知見やノウハウを持つ企業が無償で候補者にそれを提供した場合、政治賃金規制法違反にあたる可能性があるという専門家の指摘がある。
折田氏だけでなく、メルチュの社員も稼働していたとすると、彼ら全員があくまでも「私的な活動」として「無償で行った」ということで、選挙に関する活動で役員報酬や給与所得も得ていないということが、必要条件となりそうだ。 ■折田氏が「斎藤氏を支援した動機」 2点目については、曖昧なままに幕引きとなる可能性はあると思うが、折田氏、あるいはメルチュが選挙で斎藤氏を支援する動機として、いくつか想定できる。 1. (個人として)斎藤知事を支持していたから、無償で応援をした