Web3に取り組む金融庁、デジタル庁の本当の姿とは。イベント最後のセッションで明らかに?【JBW Summit at IVS Crypto】
「ダサかわいい」パーカーが目印
伴:日本のWeb3政策の向かっていく先と、自分の考え方が異なったりする場合もあるのではないかと思うが、そういった時はどのように対処しているのか教えてほしい。 牛田:オープンイノベーションの可能性はきわめて大きいと思っている。そういう優れたものを世の中が良い方向に進むように活用できるように金融庁としても、個人としてもやっていきたい。 政府の方針と自分の考え方が相反することは今のところは多くないと思っている。一つの役割としては、現状、これほど多くの事業者の皆さんとディスカッションさせていただいているのは金融庁でも、政府全体でも我々ぐらいと思っているので、内部で意思決定をするときにも自分が思ったことはしっかり伝えていきたい。 松澤:政府全体として極めて前向きだと思う。新しい取り組みをどんどんやっていこうという大きな流れがある。そこに違和感はない。各論で意見が合わないかもしれないときは、自分の持っている意見・情報を相手に十分にインプットできていない場合が多く、コミュニケーション不足がその原因のほとんどだと思っている。 伴:金融庁の立場でモデレーターをしながら、外部の人間みたいなコメントになるが、ふたりのように前向きで、かつ諦めない方々がいることは、日本政府のブロックチェーンのマスアダプションに向けた取り組みが前向きに進んでいることを実感できた。 牛田:今日はあまり具体的な政策の話ができなかったが、足元ではステーブルコインも含めたブロックチェーン全般の取り組みもあり、生成AIも金融庁として何をすべきかを考え始めている。ブロックチェーンとAIは相互補完的なところがあると考えており、ぜひ、皆さまと連携していきたい。 松澤:デジタル庁の売り込みを最後にさせていただくと、マインナンバーカードは申請件数では1億件を超え、保有率では70%を超え、かなり普及してきた。スマートフォンに搭載可能になり、これは極めて大きいと考えている。新たな事業のタネ、アイデアもどんどん出てくると思うので、相談窓口もぜひ活用してほしい。 伴:今回のセッションではデジタル庁のWeb3窓口、金融庁のフィンテックサポートデスクの話が出てが、私からは1つ、ぜひ覚えて帰っていただきたいことがある。来年2025年3月3日~7日、第2回の「Japan Fintech Week」を金融庁主催で実施する。「IVS Crypto/JBW Summit」の活気に負けないイベントにしていきたいと思っている。皆さん、ぜひ足を運んでいただければと思う。 牛田:ちなみに今日、私が来ている金融庁パーカーをデザインしたのは伴さんです。 伴:「ダサかわいい」と話題になっており、このパーカーを着ている金融庁職員はフレンドリーな職員ですので、積極的に声をかけてほしい。 牛田:着ていないから、フレンドリーではないということではありませんよ。 ● なお、CoinDesk JAPANを運営するN.Avenue株式会社は、7月5日・6日に一般社団法人JapanBlockchainWeekと「JBW Summit at IVS Crypto」を共催。また、7月31日まで続く「Japan Blockchain Week」のメイン・メディアパートナーを務める。 |文・写真:増田隆幸 ※編集部より:本文を一部修正して、更新しました。
CoinDesk Japan 編集部