ホンダの新型SUV「CR-V e:FCEV」、水素で走る燃料電池車を感じさせない普通さ。最先端と現実味のバランス
なお、ステアリングホイールには、しっとりとしていて滑らかな触感のシンセティックレザーを使用。本革と同等の見た目により、高級感を演出する。Uターンなどステアリングを大きく切るような操作でも、手が滑りにくく、握り心地も満点だ。また、バケット風のシートは、適度な硬さで座り心地も良好。生地にはバイオ素材を使うことで、環境に優しいFCEVらしい演出も加味している。 ■発進や加速について ブレーキペダルを踏んでパワーボタンを押すと、走行可能な状態となる。モーター駆動のFCEVだから、当然ながらクルマは静かなままだ。このあたりは、ホンダ独自の2モーターハイブリッド機構「e:HEV」を搭載するハイブリッド車も同様。バッテリーが満充電であれば、エンジンはかからず静かなままなので、慣れている人も多いだろう。いずれの場合も、メーターなどが点灯することで、走行可能な状態なのかが確認できる。
走行するには、まず、最近のe:HEV搭載車などにも採用するボタン式シフト「エレクトリックギアセレクター」の「D」ボタンを押す。その後、アクセルペダルを踏み込めば、電動パーキングブレーキが自動解除され、スムーズに発進する。 この際、バッテリーの充電状況が良好であれば、バッテリーに蓄えた電力で走るEVモードとなり、水素の消費量を低減する。そこから、ある程度アクセルを踏み込むと、水素による発電とバッテリー電力の両方を効率的に使う「オート(AUTO)モード」へ自動で切り変わる。
なお、ほかにも、このモデルには、エレクトリックギアセレクターの左隣にある「eボタン」を押して「セーブ(SAVE)モード」に切り替えれば、燃料電池システムを使用しバッテリーの電力を節約。また、「eボタン」長押しで「チャージ(CHARGE)モード」を選べば、燃料電池システムの発電量を増やしてバッテリーに充電する。 さらに「eボタン」上には、ドライブシーンに応じ4つのモードを選択可能な「ドライブモードスイッチ」も採用する。幅広いシーンに対応する「ノーマル(NORMAL)モード」、ワインディングなどに最適な「スポーツ(SPORT)モード」、エコドライブをアシストする「イーコン(ECON)モード」、雪上でもスムーズな走りを生む「スノー(SNOW)モード」を用意する。