年末年始の団らん〝当たり前〟じゃない子どもも 長期入院する小児病棟の大みそかや正月の様子、医師に聞く
年末年始も継続した支援が必要
長期入院をする子どもたちのために、群馬大学附属病院では小児病棟に専用の居室である「思春期ルーム」を設けることにし、その資金を募るクラウドファンディングが2023年の初めに大きな話題になりました。 4人部屋の病室を改装し、思春期の患者のためのスペースに。思春期ルームにはテレビやPC、本やマンガなど、そして同世代で語らうためのソファーやテーブルが置かれます。 プロジェクトは当初の目標の800万円を大きく超え、2500万円以上を集めて成功しました。 資材調達の遅れなどがあり、1年ほど予定より遅れ、今年度中には運用開始ができそう、ということでした。このように、長期入院の子どもたちの環境を良くする試みも、同院では行われています。 それでも、「本来はこのような(長期入院を前提にした)部屋が必要なくなるのが理想」であり「年末年始も子どもたちが家に帰れるようにしたい」というのが小児科医としての願いであると、二人は話します。 「入院している子どもたちには、年末年始などに関係なく支援が必要だということを、ぜひ知ってほしいと思います」と大津さん。 西田さんも「年末年始は多くの人が楽しく家族で過ごしているのに対し、長期入院が必要な、非常に難しい病気と闘っている子どもがいて、そういった子どもたちは面会時間も限られるため、家族と長時間、過ごすことが難しいということが、意外と知られていないのかもしれません」と話します。 誰もが病気になり得る以上、多くの人が「当たり前」だと思っている自宅での家族団らんは、当たり前ではないということに、記者もハッとさせられました。 ◇ そば屋、神社、清掃工場、銭湯、介護現場……多くの人がお休みをとる年末年始も、変わらず働く人たちがいます。どんな思いで働き、どんなストーリーがあるのでしょうか。