49歳無職男性「人生、一発逆転だ!」父の遺産で実家をリフォーム→〈タンス預金5,000万円〉発見で大喜びも…1年後〈追徴課税3,000万円〉に悲鳴。“現金のまま保有”も、税務署にバレた理由【税理士の助言】
日本国内に約60兆円あるといわれる「タンス預金」。タンス預金をする理由はさまざまですが、相続税対策のためにあえて行う人も少なくありません。しかし、意図的な隠ぺいが税務調査によって発覚した場合、通常の相続税よりもはるかに重い「追徴税」を課されてしまいます。亡き父のタンス預金を発見した49歳男性の事例をもとに、タンス預金のリスクと相続税の注意点をみていきましょう。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング
無職のAさんが実家で見つけた“お宝”
当時49歳のAさんは、83歳の母Bさんと実家で暮らしていました。 Aさんはいわゆる「ロスジェネ世代※」。就職氷河期のあおりを受け、希望通りの就職が叶わず、長いあいだ非正規雇用を余儀なくさました。 ※ ロスジェネ世代……1970年~1984年ごろに生まれ、就職活動の時期がバブル崩壊と重なった世代のこと。「ロスジェネ」は「ロストジェネレーション」の略。 40代も目前に迫ったころ、「このまま非正規では、結婚もできない」と将来に危機感を覚えたAさんは、一念発起して資格を取得。ようやく正社員での採用を勝ち取りました。 しかし、入社した先はいわゆる“ブラック企業”、重労働かつパワハラが当たり前の職場でした。せっかくつかんだ正社員の座、簡単に手放すわけにはいきません。追い詰められながらも必死に耐えていたAさんでしたが、入社から5年後にうつ病を発症。45歳で地元に戻ったAさんは、障害年金を受け取りながら実家で細々と暮らしていました。 世帯の収入は、Aさんの障害年金7万円と母Bさんの年金25万円でした。Aさんの父親は10ヵ月ほど前に亡くなっており、母親の年金というのは、生前公務員だった父の遺族年金です。 バタバタと葬儀を終え、父親の相続税申告も済ませたAさんは、亡くなった父がのこしてくれた財産で浴室をリフォームすることにしました。というのも、年齢を重ねた母Bさんの足が悪く、入浴の際に介助が必要になったことで、AさんBさんともに負担となっていたのです。 浴室のリフォーム工事が始まり、「これで母さんも少しは楽になるな」と見守っていたところ、Aさんは業者から声をかけられます。「換気扇のなかに、こんなものがあったんですが……」聞けば、工事をするために業者が換気扇を取り外したところ、ビニールに包まれたカバンがあったというのです。
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