深刻化するサイバー攻撃に備える、「GITEX Asia」で探るセキュリティ技術の最前線
検出:脅威のタイムリーな特定
サイバー脅威がますます複雑化する中で、脅威を早期に発見する「検出」の重要性がかつてないほど高まっている。脆弱性が悪用される前にそれを発見することが、防御の成否を分ける要因となっている。 2023年のVectra AIによる調査では、セキュリティオペレーションセンター(SOC)のアナリストの71%が、自社の組織が既に侵害されている可能性があると認識している。しかし、SOCアラートの数が多すぎて、対応が困難な状況にある。実際、SOCアラートの3分の2以上が毎日無視されている可能性があるという。 IBM X-Forceの2024年レポートによれば、インフォスティーラー(情報窃取ツール)の使用が266%急増しており、攻撃者はフィッシングからなりすましや盗まれた資格情報の悪用へと戦術をシフトさせている。この変化により、検出システムが攻撃者の新たな手法に対応する必要性が一層高まっている。
復旧:攻撃後の迅速な対応
データ漏洩が発生した場合、迅速で効率的な「復旧」が企業の存続を左右する。IBMの調査では、2024年の世界におけるデータ漏洩の平均コストが488万ドルに達し、前年より10%増加したと報告されている。 特にベトナム、インドネシア、タイなどの国々では、ランサムウェア事件が急増。例えば、タイでは2023年に10万9000件以上のランサムウェア事件が報告された。このような状況は、迅速なデータ復旧とサービスの再開がいかに重要であるかを物語っている。
コンプライアンス:規制への対応
「コンプライアンス」は、アジア地域におけるサイバーセキュリティの基盤を形成している。アジアの各国政府は厳格な規制を導入し、企業に最高水準のデータ保護を義務付けている。 シンガポールはその代表例であり、CSAの取り組みによって2022年には感染システムが13%減少した。同様に、中国も新たな規制を導入し、データフローやサイバーセキュリティの管理を強化している。こうした取り組みは、企業が複雑なデジタル環境で競争力を維持し、成長を続ける上で不可欠だ。 このように、アジアのサイバーセキュリティは、単なる防御手段にとどまらず、次世代の脅威を予測し、それに備える新たなステージに突入している。調査会社Cybersecurity Venturesは、サイバー犯罪による世界全体の損害が2025年までに10.5兆ドルに達すると予測しており、警戒と革新がこれまで以上に重要である。 GITEX Asia 2025では、サイバーセキュリティの最前線に立つ専門家が一堂に会し、最先端のソリューションを紹介するとともに、未来のデジタル防衛戦略を議論する予定だ。 参加方法やコンテンツの詳細は、公式サイトを随時ご覧ください。 公式サイトはこちら:https://gitexasia.com (36Kr Japan編集部)