G新外国人のポランコ&シューメーカーはOP戦で下位低迷している巨人の”救世主”となれるのか?
一方のポランコ。2020年は、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、短縮シーズンとなったが、バレル率は12.6%でキャリアハイをマーク。平均打球初速92.9マイル、ハードヒット率51.6%はいずれもリーグトップ5%に入り、ようやくポテンシャルを発揮し始めたーーと多くのファンの目には映った。 しかし同年、三振率が37.4%に達し、キャリアワーストを記録。打率も.153とやはりキャリア最低だった。もちろん、サンプル数が少ないので極端な数字となったわけだが、昨年も打率.208と低迷。三振率は27.2%で高止まり。前年は20.8度というキャリアハイの平均打球角度を記録していたが、15.9度に下がった。それでも、そのポテンシャルの高さゆえ、パイレーツは我慢に我慢を重ねてきたが、ついにあきらめた。 もっとも、彼もまた、17年以降はケガに苦しんできた。17年は左太もも裏を痛め、復帰を急いだ結果、再発を繰り返し3度も負傷者リスト入り。18年9月には、左肩の脱臼で手術。復帰は翌年の5、6月といわれたが、4月に復帰。しかし、6月半ばには再度離脱し、復帰を焦った代償を払うことになった。20年は、新型コロナウィルスに感染。その年のオフ、ドミニカ共和国のウインターリーグでプレーしていて、右手首を骨折。昨年の不振は、その影響も指摘された。 ポジティブな話としては、彼は昨年の終盤、昇格こそ出来なかったが、ブルージェイズの3Aバッファローでプレーすると、24試合に出場し、打率.374、9本塁打、24打点、OPS1.183をマークし、復調の兆しをみせている。これが、ついに故障も癒え、全力でプレーできるようになった証なのだとしたら期待が持てる。イメージとしては2016年から3年間、楽天でプレーしたカルロス・ペゲーロが近いかもしれない。 昨季は優勝を逃しオープン戦で11位と低迷している巨人にとって2人の活躍が今季のチームの命運を握るだろう。成否のカギは、ともに日本球界への適応の前にフィジカル面での不安をどこまで払拭できるのかが重要になる。巨人は彼らに米国で特別キャンプの機会を与えていたそうだが、新型コロナの水際対策の影響で、ともに日本でのキャンプにフルに参加できなかったことは、少なからず影響を及ぼすのかもしれない。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)