G新外国人のポランコ&シューメーカーはOP戦で下位低迷している巨人の”救世主”となれるのか?
もっとも結果を残せるかどうかは、別の話。もともと球速でねじ伏せるタイプではなく、真っ直ぐの平均球速は2013年のデビュー以来、91.5~92.5マイルで変わらない。ただ、生命線であるはずの制球力が、かつてのものではない。 ここ数年は四球が増え、与四球率(9イニングの平均与四球数)は14年が1.59、16年は1.69だったものの、昨季は4.03まで悪化。17年以降は3.0前後で高止まりしている。 持ち球は4シーム、シンカー、スライダー、スプリットの4球種。カーブも投げるが、比率は低い。その中ではスプリットが全体の30%を超え、配球の軸だが、そのスプリットが冴えを欠く。過去、打者がスイングして空振りする確率がコンスタントに30%を超え、いいときは40%を超えていたが、昨年は30%を切った。 また被打率も過去.226がワーストだったが、昨年は.245。もはや、決め球とはならなくなった。伴って奪三振率も低下。キャリア平均は7.88 だが、昨年は5.97。かつて、2ストライクと追い込んでからスプリットで三振を奪う確率は30%近かったが、昨年は17.5%。ちなみに、昨季の4シームの被打率は.361、シンカーの被打率は.419。スプリットも含めた真っ直ぐ系は、もはやメジャーでは通用する球ではなくなった。 ただ、2016年をピークに下り坂に入った主要因は故障か。2017年頃から右前腕を度々痛め、17年と18年のシーズン途中に手術をしている。再起を期した19年は開幕から好調で、5試合に先発し、3勝0敗、防御率1.57。ところがその5試合目、一、二塁間で挟んだ走者を一塁から追っているときに左膝の前十字靭帯を断裂し、残りシーズンを棒に振った。キャリア終盤の選手が下半身を故障すると、回復に時間がかかる、キャリアを縮めるなどと言われているが、翌年に彼はあらゆる面でキャリアワーストの1年を送った。左膝を故障したことで、十分なトレーニングが出来なかった結果が、如実に現れており、今季の巨人での復活を左右するのはその故障の回復具合ではないか。