年末年始こそ気をつけたい“損する節約” ネット通販の「ポイントアップ」「送料無料」は“得したつもり”がムダ遣いに
物価高騰が続くなか、年末年始の出費の波が押し寄せてくるこの時期、「家計防衛」に一層気合を入れるべく節約に励んでいる人も多いだろう。しかし、節約しているのにどうしてお金が貯まらないのか──不思議に思っているなら、その節約術は間違っているかもしれない。マネーのプロがアドバイスする。 【グラフで丸わかり】手取り月収29万5000円のEさんのやりくりがうまくいかない理由をプロがジャッジ
「自称・買い物上手」が勘違いしていること
節約したつもりでムダを増やしている「自称・買い物上手」は卒業しよう。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが提案する。 「値上がりが続いているいまこそ、安いものを探し回る“お得ハンター”になってはいけません。1円でも安いものを求めて遠くまで買い回る時間や労力、車移動ならガソリン代がムダ。疲れて料理がめんどうになってお総菜を買ったりしては本末転倒です。安いものを探し回るより、買い物に行かない日をつくって家にあるもので済ます方がずっと節約になります」(丸山さん・以下同) 自称・買い物上手は、「コンビニは高い」と敬遠しがちだが、商品によってはむしろ節約になることも。 「調味料や洗剤などはプライベートブランドの商品が安く、品質もいい」 “安くてお得!”とうたわれるコストコにこそ落とし穴があると、ファイナンシャルプランナーでオールアバウト家計簿・家計管理ガイドの二宮清子さんは指摘する。 「一見安く見えても、100g単位に直すと普通のスーパーと変わらないこともある。また大容量ゆえに使い切れずにムダにしてしまう失敗は少なくありません。 まとめ買いしたものを保存するために専用の冷凍庫を買うのは論外。節約どころか、不要な出費を増やすムダでしかない」(二宮さん)
ネットの「ポイントアップ」や「ポイ活」も損しているかも
ネットショッピングサイトの 「ポイントアップ」や 「送料無料」に乗せられて、得したつもりでムダ遣いをしている人も多い。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが言う。 「“1万円以上購入で送料無料”のためだけに欲しくもないものを探すのは、お金も時間もムダ。洋服などの激安ECサイトも流行していますが、洋服や靴は特に粗悪品や写真と違うものが届くことがあるので“安いから”と購入すると大損する可能性もあります」(黒田さん・以下同) ポイ活も、貯めることばかりに必死になりすぎると損を増やす。 「ポイント欲しさに必要のない クレジットカードを何枚もつくると、いくら使ったか把握できなくなり、家計管理が不可能に。財布にポイントカードやクレジットカードが何枚も入っている人は、節約が上手とは言えません」 そもそも 「欲しいもの」をカードで購入するのはおすすめできない。 「カード払いは翌月の自分への借金なので、毎月支払い額が大きく変わらない住居費や水道光熱費の支払いのみに使いましょう。ただし、その場合も“クレジットカードならポイントがついてお得”とは限らない。水道光熱費は口座振替割引があり、支払い金額によってはポイント還元より得になるケースもあります」(丸山さん・以下同)