父が入院するときに「どうしても個室がよい」と言うので変更したら差額ベッド代が15万円!なるべく負担を軽くしたいのですが、「医療費控除」の対象になりますか?
入院の際、大部屋での生活に不安を感じたり、よりゆとりのある部屋で入院生活を送りたかったりといった理由から個室を希望するケースがあります。 多くの病院で部屋の変更に対応していますが、追加でかかる費用は医療費控除の対象にならない可能性があるため、注意が必要です。 今回は、医療費控除の対象範囲や、部屋の変更による差額ベッド代がかからないケースなどについてご紹介します。
医療費控除の対象範囲
医療費控除は、治療に際して支払ったすべての費用ではなく、対象になっている範囲の金額が控除されます。国税庁によると、控除の対象になる項目は以下の通りです。 ・医師または歯科医師による診療または治療の対価 ・治療または療養に必要な医薬品の購入の対価 ・病院、診療所、介護老人護憲施設、介護医療員、指定介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設または助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価 ・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価 ・保健師、看護師、准看護師または特に依頼した人による療養上の世話の対価 ・助産師による分べんの介助の対価 ・介護福祉士等による一定の喀痰吸引および経管栄養の対価 ・介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額 など 入院時の部屋代や食事代などは控除の対象となります。ただし、病院側が用意した部屋にそのまま入院する場合に限ります。
差額ベッド代は基本的に控除できない
医療費控除の申請で注意したい点が差額ベッド代です。差額ベッド代とは、通常の入院時に利用する大部屋(4人部屋など)ではなく、患者もしくは患者の家族の要望で個室や広い部屋を選択した場合に発生する追加費用のことを指します。 自己都合による差額ベッド代は、基本的に医療費控除の対象にはならないようです。 国税庁でも、医療上の必要性がなく本人や家族の希望のみを理由として個室を利用した場合の差額ベッド代は、医療費控除の対象外であることを明言しています。また、入院時のパジャマや身の回り品の購入費用、医師や看護師への謝礼も医療費控除の対象にはなりません。