「私もゲイの友達いるよ」その発言、実は相手を傷つけているかも…LGBTQ当事者と考える、日常にある差別とは
2024年10月末、東京高裁は「同性婚を認めない法律規定は憲法違反である」という判断を下しました。また、時を同じくして、国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)からも、夫婦別姓の導入などに加えて同性婚を認めることを促されるといった日本政府に対する「最終見解」が話題に。 「女性同士だとどうやって子どもを授かるの?」日本では触れられない、聞かれない…日常の差別 そこで今回は、ニューヨークで自身のサロン『VACANCY PROJECT』を経営している美容師であり、国内外のメディアで、LGBTQ当事者のアクティビストとして声を上げている細野まさみさんに、日本とアメリカの性的指向や性自認(SOGI)に関する理解のギャップや、日常で感じる差別・偏見について聞いてみました。 ◆この記事を読むためのキーワード解説 ※1 SOGI(ソジ) Sexual Orientation and Gender Identityの頭文字を取ったもので、日本語訳では性的指向と性自認と訳す。LGBTQに限らず、異性愛者なども含む全ての人の属性を表す略称。 ※2 マイクロアグレッション 直訳すると「小さな攻撃」。発言した本人に悪意があるとは限らず、無意識の偏見や無知、思い込みによって、意図せず対象者を傷つけてしまうこと。何気なく無視をしたり、話を遮ったり、ステレオタイプの考えを押し付けたりするなど、発する側に悪意がないことも多い。受け手は日常的にその小さな攻撃を受け、ダメージを蓄積している。 ※3 アクティブバイスタンダー アクティブ=行動する、バイスタンダー=その場に居合わせた傍観者/第三者、という意味。誰かが差別をされていたり、危険な状況やハラスメントを受けている現場に第三者として居合わせた時、積極的に行動を起こす人を指す。被害者を助けるために行動した人をさらに周囲の人たちがフォローする。これが当然であるという意識を社会の皆が持つことで、アクティブバイスタンダーとしての行動を誰もが起こしやすくなる。