寒い季節到来! 「冬は高血圧になりやすい」理由・予防法や降圧剤を薬剤師が解説
高血圧を予防する! 生活習慣のポイントは?
編集部: 高血圧を予防するために、どのようなことに注意すればいいですか? 村山さん: 高血圧予防に重要なことは、食塩を摂りすぎないようにすることです。食塩摂取量の目標は、成人男性で1日7.5g未満、成人女性で6.5g未満であり、高血圧の方は1日6g未満にすることが推奨されています。ですが、日本の食事は塩分が多くなりやすいので、しょうゆやソースの量を減らす、漬物を控える、麺類の汁は残すなどの工夫が必要です。塩分を排泄する働きがあるカリウムが多く含まれる野菜や果物、海藻類、大豆製品などを積極的に摂りましょう。ただし、腎臓の病気がある方はカリウム摂取を制限される場合があるので医師に相談してください。調理方法などを工夫し、無理のない減塩を長く続けることが大切です。 編集部: 減塩のほかに生活習慣で気をつけることはありますか? 村山さん: 高血圧の原因となる生活・環境要因には、運動不足、睡眠不足、喫煙、飲酒、肥満、ストレスなどがあります。適度な運動や十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。 編集部: 冬は高血圧になりやすいとのことですが、冬場に特に注意することはありますか? 村山さん: 温度の変化による血圧の急激な上昇は、心筋梗塞や脳梗塞などの引き金になることがあるので注意が必要です。気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをヒートショックといい、冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動して浴槽に入るときなどに多く起こります。浴室以外でも、トイレでヒートショックを起こして死亡するケースもあり、10℃以上の温度差がある場所は危険とされています。入浴前に脱衣所や浴室を温めておく、トイレに小型の暖房器具を用意するなどの対策をしましょう。また、年末年始の忘年会、新年会などでの塩分の摂りすぎにも注意してくださいね。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 村山さん: 重大な病気を防いで健康を維持するためには、血圧を正しくコントロールすることが必要です。高血圧は自覚症状がほとんどなく自分では気づきにくいので、定期的に検診を受けましょう。すでに降圧薬の治療を受けている方や血圧に不安がある方は、家庭用血圧計を用意して毎日測るようにしてください。高血圧の治療について何か心配ごとがあれば、かかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。