福島原発でデブリ試験的取り出しに着手。更田豊志・原賠機構上席技監「東電の”実戦経験”蓄積に意義」
――6月9日から同29日にかけて、いわき市や南相馬市など福島県の13市町村で、原子力損害賠償・廃炉等支援機構主催による、燃料デブリ取り出し工法に関する住民説明会が開催されました。 私は13回のうち11回に参加し、住民の皆さんと対話した。周知期間が非常に短かったこともあり、参加者は限られていたが、郡山市や会津若松市などの遠方から来てくださった方もいた。 11月には福島市、郡山市、会津若松市を含む16市町村で開催したい。説明会というタイトルを付けたが、伝えること以上に住民の皆さんの声を聞くことに重きを置いた。今後の廃炉作業では処理水の海洋放出問題とは異なり、検討段階から住民の声を聞きつつ検討していくことが大事だ。年に2度くらいは続けたい。デブリ小委も活動を継続し、東電の詳細設計の作業をチェックしていきたい。
岡田 広行 :東洋経済 解説部コラムニスト