世界が注目するニッポンの時代劇の礎を築いた巨匠・マキノ雅弘氏の傑作選を神保町シアターで開催
真田広之さんが主演と製作を担った『SHOGUN 将軍』が、全米テレビ界最高の栄誉・エミー賞を総なめにし、自主映画にもかかわらず『侍タイムスリッパー』が拡大公開されて大ヒットするなど、時代劇に再び脚光が当たっている。そこで、古き良き昭和の日本映画をフィルム上映にこだわって特集してきた名画座・神保町シアター(東京)が、12月7日~20日に「一度はスクリーンで観ておきたい――マキノ雅弘の時代劇傑作選」を開催する。 マキノ雅弘氏(1908年生-1993年没)は、“日本映画の父”牧野省三氏を父に持ち、生涯に260本以上の作品を手掛けた映画監督。かつて映画は大衆娯楽の中心で、チャンバラのスターが子どものヒーローであり、美剣士スターが国民的人気を誇った日本映画黄金期の時代劇をけん引した一人だ。今回上映されるのは、往年の映画ファンから支持の厚い8作品。 まず、『決闘高田の馬場 (「血煙高田の馬場」改題短縮版)』(37年)は、“バンツマ”こと阪東妻三郎さんの華麗な立ち回りが見どころの痛快時代劇。『清水港の名物男 遠州森の石松』(58年)は、森の石松の金比羅参りの挿話が中村錦之助さん主演で描かれる。『江戸の悪太郎』(59年)は、江戸の長屋が舞台の人情劇。『いれずみ半太郎』(63年)は、大川橋蔵さん×丘さとみさん共演の純愛逃避行。さらに、人気シリーズの一本『次郎長三国志 第五部 殴込み甲州路』(53年)、武士の悲劇と女の激情が絡む『仇討崇禅寺馬場』(57年)、錦之助さん主演の股旅もの『弥太郎笠』(60年)、錦之介さんが2役を演じる『江戸っ子繁昌記』(61年)というラインアップ。入場料金は一般1400円、シニア1200円、学生1000円。珠玉の時代劇をぜひスクリーンで。