頂点を見据え、研ぎ澄ます武知海青の美学「頑張る以外の選択肢はない」
常に自分史上のベストを模索する
THE RAMPAGEのパフォーマーとしてデビューして以降、武知のなかには「身体を鍛えていないと、グループに必要とされない」という意識が拭えなかったという。しかしそれは、決して卑屈な思いからではない。 「デビュー当時、僕には取り柄がなくて。THE RAMPAGEはメンバーが16人もいますから、何か武器を持っていないと簡単に沈んでしまうと思ったんです。でもあるとき、HIROさんから『体格が良いね』って褒めてもらえて。それをきっかけに『じゃあもっと身体を鍛えたら、自分の強みになるのかも』と気づきました。それからトレーニングに向き合うようになったんです」 いまではTHE RAMPAGEのなかでも、鍛え抜かれた美しい身体の持ち主として知られるようになった。立派なアピールポイントとして確立して久しいが、武知はまだまだ先を見据えている。 「今後、どうしても年齢とともに骨格や筋肉量、筋肉の付き方、代謝が変わってきます。重ねられる年齢に適応した身体をつくっていく必要があるんです。些細な変化も見逃さずに、食事や運動量を調整して、その瞬間にもっともベストな自分を探していくつもりです」 パフォーマー、そしてプロレスラー。体力や筋力を重視する仕事は、年齢とともに向き合い方が変化していく。否応なしに訪れる変化を、武知は悲観的に見てはいない。いつどんなときだって、ベストな自分でいること。それがきっと、彼の自分らしさであり、ファンへ報いる姿勢なのだろう。
男性ファンへのアドバイス「守る人ができれば……」
「すごく根暗でした。学生のころ、国語の音読の時間に、クラス全員の前で教科書を読み上げるのが嫌だったくらい……」と武知自身が振り返るように、もともとは人前に出るのは苦手なタイプだったという。 「でも、トレーニングを習慣化して身体を鍛えたことで、メンタルも強く明るくなりました。それでも、根っこの暗さは変わらないんですけどね(笑)。一人で時間を過ごすとか、一度『元の自分に返る時間』をつくらないと、また頑張る力がわいてきません。この性根は、どれだけトレーニングしても変わらない部分だと思います」 そんな武知が、いまやTHE RAMPAGEのパフォーマーとして大観衆を前にライブをし、プロレスラーとして技を披露している。自らを奮い立たせられるようになったのは「トレーニングをするようになったこと、そしてスポダンで優勝した経験」が大きな自信に繋がったから。「何か一つとことんやり切って結果を出せれば、いつまでも挑戦し続けられる自信になるんだ、と思えたきっかけでした」と実感を込めて語る。 あえて、男性ファンへのトレーニングのアドバイスを求めると、武知は「大切な人ができたら、頑張れるんじゃないでしょうか」と直球ゆえに強いメッセージをくれた。 「守りたいと思える人がいるかどうか。つらいこと、しんどいことでも『この人のために』と思えたら、最後までやりきれますよね。いちばん大切な人を思い浮かべて、しっかりフォーカスを定める。そうすれば、身体を鍛えるモチベーションになると思います」