【独自】政治資金監査の第3者機関「民間からスタートし権限強い行政府などへ移行を」自民・政治改革実務者 大野敬太郎衆院議員 単独インタビュー全文
一方、法律の内容については2つのパートに分かれています。1つは再発防止について。ここは間違いなく私どもとしては、ある程度の自信を持ってお届けをしている、現実的なものであると認識しています。 あまりにも過剰に穴だらけという印象が強くなり過ぎると、逆に議員側に「この程度か」という印象が残ってしまって、あまり確認しなくなることを心配している状況です。 もう1つのパートはいわゆる透明性の向上。ここの部分については、今後の検討というのは結構多いわけで、これはある種、まだ検討段階ではないかと、まだまだ足りないじゃないかという印象が残ったんだと思います。 政治資金というのは、民主主義を支える土台ですから、静謐な環境で議論ができたらなということは思いました。 ■総理決断に大変な驚き ビジョンの共有なく“政局化は必然” ー実務者として自民党内の調整、交渉相手である与党の公明党・野党との間で板挟みになった部分も多かったと思う。 具体的にはパーティー券購入者の公開基準額について、当初の自民党案は10万円超で大野議員も国会などで説明をしてきた。 しかし公明党の反発もあり、最終的に総理が5万円超に引き下げるという決断をした。 これまで10万円超というラインで説明をしてきた大野議員にとっては、答弁の整合性を問われる結果となった。総理の決断をどう受け止めたか 基本的に平たく言えば、大変な驚きではありました。 一方で、われわれはあくまでも民主主義の土台である政治資金の規正のあり方、特に不正を許さないという部分と、一方で政治活動を支えるという部分のバランスのもとに、どのような制度を構築すればいいのかを追求したわけです。 それで最初の提案になったわけですけど、理屈の部分がわれわれであるとするならば、総理の決断というのはまさに公明党、あるいは野党の皆さんとの政治合意の話ですから、目線が違う。驚きであるのは驚きであったのですけど、それはそれで政治ですから、そういうことも結果的には、さもありなんということはあると思います。 ただ私自身が少し考えるのは、結局議論というのは、民主主義とか、あるいは政治資金とか、不正を許さないとか、こういう前提が共有できているか。 議論には前提がある。ここが果たして共有できていたのかと。 例えばコップあるじゃないですか。コップを上から見ると丸。でも横から見ると四角ですよね。絶対四角だと思っている人と、絶対丸だと思っている人、ここを合わせないと多分共有できない部分があるんですよね。 もう1つは視点としては何か制度を作るにあたって、表面的に見える、例えば5万円とか10万円とか表面的に見えるものと、それが与える影響ですよね。背景ですよ。ここも共有されないといけないと思うんですけど、この2点が果たして共有されていたのか、これは私は大きな疑問を持っている。もう少し議論の関係者の中でこういったものを共有しておきながら、あるべき姿を議論できた方がよかったなと思いますね。