阪神が8つのミスで“必然“の逆転サヨナラ負けBクラス転落危機…球団の続投示唆が逆効果?!
9回のミスも含めて計8つも連鎖させた背景にあるのが、球団が早々と打ち出した矢野監督続投方針である。関西メディアの報道によると、藤原オーナーは、3年契約の3年目を迎える矢野監督の手腕を評価して続投を示唆し、矢野監督自身も、「その期待に応えたい」と、正式要請があれば前向きに受諾する考えを示した。 夕刊フジにより、新型コロナの感染予防の徹底が球界全体で求められている最中に遠征先の広島で矢野監督がチームの「4人以内」の内規を破る大人数会食を行っていたことを暴露された。球団は事前に相談があり許可をしていたことを理由に「内規違反ではない」と不問に付したが、指揮官としての資質を問われる事件が明るみに出てチーム内の求心力は低下した。そのタイミングで、藤原オーナーは、一連の騒動に蓋をするかのように続投を示唆し、矢野監督もケジメ発言ではなく“KY“な続投受諾発言を行ったのである。 その翌日の14日から矢野監督はファームで本塁打&打点の“2冠“のドラフト2位の“大器“井上を緊急昇格させ、そして、この日からは今季限りでの引退を表明している藤川を1軍に上げた。 チームの目標をAクラス堅守に置かず”来季”と“セレモニー”に切り替えたように映る采配である。 今季はクライマックスシリーズがなく2位も最下位も評価は同じという特別なシーズンではある。しかし、この日のチームの空気は、まるで最下位チームのそれ。完全に消化試合である。 2位の中日とは1.5差、4位の横浜DeNAとは1差で、もし、CSがあれば、この3チームのAクラスを巡る熾烈な争いが面白かったところだが、今季は、この3チームのうち、どこがBクラスに落ちるかのサバイバルが焦点になっている。まだBクラス転落に監督の“クビ”がかかっていれば必死さも出てくるのだろうが、雑音を消すために阪神の球団トップが早々と続投方針を示したことが逆効果となった。 内規を破り新型コロナの集団感染者を出した福留らは、制裁金を科せられ、一連の不祥事の責任をとり揚塩球団社長が辞任という詰め腹を切らされた。矢野監督への信頼感が揺らぐ、チームの非常事態に良かれと打った球団のマネジメント手法が、結果的にチームから執念の2文字を消してしまったのである。 中日とは目標が違うのだからサヨナラ負けも“必然“だったのかもしれない。残り21試合。阪神ファンがチームに求めているのは何なのだろう。