淫猥にしてファッショナブル? 知られざるホテルの深淵に迫る書籍&Tシャツが気になる件
一息つく年末年始は、大人の見識を深めるには好機。見逃していた映像作品に浸るもよし、気になっていた名著を読破するもよし。そんな今だから、ちょっと変わり種の書籍をご紹介します。SMやラバリストたちが集う老舗ホテルにまつわる一冊。オヤジさんの知的好奇心を刺激すること請け合いです。
SMと東京サブカルチャーの聖地、その核心に迫る
怒涛の師走を駆け抜けたら、年末年始はゆっくりとした時間を満喫したいものです。 海外のリゾートで年越しするにせよ、国内の温泉宿や自宅でのんびり過ごすにせよ、読書や映画鑑賞といったインプットに時間を割くには、絶好のタイミング。 毎年巡ってくるこの時期を有意義にすべく、ちょっと気になる書籍をご紹介します。 タイトルは『Masked , I advance. Hotel Alpha In』。フォーカスしたのは、1979年に東京・東麻布で開業した知る人ぞ知るホテル「アルファイン」です。
この老舗ホテルは、国内外のSMフリークやラバリスト(ゴムラテックス製の衣服愛好者)たちが集う場所として知られています。 全26室は、特殊プレイを追求するフェチたちのニーズに応えるべく設計されており、拘束器具や吊りフックなどが揃う、まさに特異な空間。
そんな一般的な日常とは異質な世界を、単にピックアップした書籍かといえば、さにあらず。 ページをめくり、その深淵に触れることで、東京発サブカルチャーとして「アルファイン」が成熟してきた所以が垣間見れるのです。 古くから同ホテルは、そのこだわり抜かれた世界観が注目を浴び、映画やドラマ、そしてファッションブランドのヴィジュアル撮影が行われてきました。
世界的なフォトグラファーやアーティスト、デザイナーなども訪れ、サブカルチャーの聖地として一目置かれてきたのです。 巻頭では、そんな「アルファイン」の今を、新進気鋭のフォトグラファーE-MAX氏が撮り下ろし。各部屋の表情と世界観が生々しく切り取られています。 加えて、カナダ出身の著名写真家、ナタリー・ダウ氏が2009年に撮影した作品も掲載。知られざる世界を存分に楽しむことができます。