「馬鹿野郎!」罵声が日常の9年半で得た深い学び 伝説の落語家「立川談志」に最も怒られた弟子
そう信じ抜いた者たちのコミュニティこそが立川流であり、落語界そのものなのです。 そしてこの感覚は、おそらくかつての日本ではありふれたモノだったのではないでしょうか。「惚れた対象」にそこまで「気づかい」する覚悟こそ、古来の日本人が持っていた大切な気質だったと思うのです。 先人たちがこの国においてさまざまなモノやコトをつくる際には、地獄のような「気づかい」をやってのけてきたはずです。 少なくとも私たちの中には、そんな血が受け継がれているものと、私は確信しています。
だから私は、本書を書くことにしました。 「そこまでやるんですか?」と問われたら、私は自信を持ってこう答えます。 「いいえ、まだまだ、やり足りないのです」
立川 談慶 :落語家・立川流真打