渡辺直美のヘアを手掛けるNEROが語る、ヘアスタイリストの仕事の流儀
グローバル化が進み、海外で活躍する日本人が増えてきた。今回注目したのは、ニューヨークでショーやブランド広告のモデルのヘアスタイルを担当しているNEROこと根路銘祐平。単身渡米後、自身のアトリエを持ち海外雑誌の表紙のスタイリングを担当するなど、自ら進む道を切り拓き躍進を遂げている人物だ。国内では、渡辺直美さんのヘアスタイリストとしてその名を知っている人も多いはず。 今回のインタビューでは、彼がどのようにしてヘアスタイリストを志し、海外でのキャリアを築いてきたのかを伺った。好きなものやことへのスタンスについて繰り返し話してくれたNEROさんからは、夢を追う人への熱いメッセージがひしひしと伝わってきた。
転機は突然に
ー現在のご活動を教えてください。 ニューヨークでヘアスタイリストをしています。日本だとヘアメイクアップアーティストという言葉があると思いますが、僕の場合はメイクはせず、ヘアを専門としています。 MA+Groupという事務所に所属していて、雑誌の撮影やブランド広告でヘアスタイルを提案させてもらっています。 撮影がない日は、スタジオやアトリエで友人の髪を切ったり、個人的な撮影をしたりして過ごしています。 ーどういったきっかけで美容業界に入られたのですか。 高校2年生のときに、高野孝喜さんという有名なヘアメイクアップアーティストの美容室が地元にオープンしました。芸能人の名前がずらりと並んだ開業祝いの花に圧倒されたのを覚えています。 そこに髪を切りに行った帰りには、美容師になろうと決心しました。こんなに素晴らしい仕事があるのかと、驚きでいっぱいでしたね。
ーその後、専門学校を出られてからは、どういった道を歩まれたのでしょうか。 卒業後はRITZという美容室に入社し、3年ほど働きました。 その後、メイクを勉強するために、パリへ1年ほど留学しました。ところが、雑誌やファッションの歴史を勉強していくなかで、結局目に付くのはすべてヘアスタイルだったんです。それならヘアスタイリストになろうと、思い切って方向転換しました。 もともと80年代から90年代のニューヨークの文化が好きだったこともあり、帰国後お金を貯めて、すぐにニューヨークに移住しました。