渡辺直美のヘアを手掛けるNEROが語る、ヘアスタイリストの仕事の流儀
ー時には大きな壁にぶつかることもあると思います。そのような状況でも、継続して仕事をしていく秘訣はありますか。 僕の信条として、「情熱を持ち続ければ、なんでもできる」というのがあります。好きなことを、とことん突き詰める。興味を絶やさないこと。これに限りますね。 常にいろいろなものに興味を持ったり、見に行ったり、人と話したりして、自分からアクションを起こしていくことが大事です。そうしないと何も起こりません。 仕事柄、学生さんの悩みを聞く機会があるのですが、中には韓国で美容をやりたいという子がいるんですよ。そういう子には、週末に韓国に行って、どういった化粧品が流行っているのか、どういうファッションが流行っているのかといったことを体験しに行くように伝えています。 厳しいようですが、それくらいの情熱や行動が伴わなければ、違う道を進むべきだと思います。
ー今後の展望を教えてください。 直美さんをきっかけに、僕を知ってくれる人が増えたことはうれしいです。ですが、僕自身は昔から何も変わりません。今後もただただ、自分のやりたいことを続けていきたいと思っています 。 僕がニューヨークに来たときに、思い描いていた将来像があって、まだ2割くらいしか実現できていません。8割はやりたいことが残っている状態なんです。 あの雑誌で仕事をしてみたい、こういう写真を撮ってみたい、あそこに行ってみたいとか。やりたいことが多すぎて、時間が足りないと感じています。 ファッションショーが好きということもあって、そのヘアにもチャレンジしたいと思っているのですが、いつかは巡り合わせで取り組む日が来ると信じています。 ーこれから美容業界で仕事をしたいと考える方に向けて、メッセージをお願いします。 僕自身、特別な才能を持っていると感じたことはありません。自分の好きなことに一生懸命向き合ってきた結果が、今に結びついていると感じます。 ヘアスタイリストやメイクアップアーティスト、美容師などの美容業界は、自分が直接人に携わって、その人に幸せを与えられる仕事だと思っていて、こういう職業ってなかなかありません。 ですから、皆さんも情熱を持ち続けて、夢に向かって進んでほしいと思います。苦しい時期があっても、自分は本当にこれが好きなんだという熱い思いさえあれば、いつか必ず形になります。 もし僕の姿を見てヘアスタイリストになってみたいと思う子がいたら、本当に好きなら絶対になれるよと伝えたいですね。