中学生が闇バイト追体験ゲーム「レイの失踪」で闇バイトの危険性と手口を学ぶ
株式会社Classroom Adventureは、「闇バイト」をテーマにしたネットリテラシープログラム「レイの失踪」を利用した授業を実践女子学園中学校・高等学校で2024年12月6日に開催した。 【画像】「レイの失踪」の特徴 同プログラムは、闇バイトのリスクを体験型ゲームを通じて学ぶもので、同社によると、「レイの失踪」を利用した授業は、国内で初めての試みとなるという。 「レイの失踪」は、SNS環境をリアルに再現し、キャラクターが闇バイトに巻き込まれる様子を追体験するゲームだ。参加者は、ゲーム内でDMや求人情報を通じてどのように犯罪が進行するかを学ぶと同時に、危険を回避するスキルを身に付ける。プログラム後のアンケートでは、95%の生徒が「闇バイトに関する知識が増えた」と回答し、100%が「今後はSNSでの求人に注意する」と述べた。 背景には、若者がSNSを通じて犯罪に巻き込まれるケースが増加している現状がある。警視庁の調査によれば、2024年には闇バイトに関連する警告が1万件以上に達し、逮捕者の約8割が10代から20代の若者だった。同ゲームでは、従来の講義形式では伝えきれない現実の危険性を理解させることを目的としている。 闇バイトは、SNSのDMなどで求人が送られてくる場合と、公開されている求人サイトなどから応募する場合がある。前者では、SNSなどの投稿から「お金に困っていそう」や「孤独そう」といった状況がターゲットにされる場合も少なくないという。同ゲームでは、キャラクターの状況や悩みなどの心理状態を知り、闇バイトを勧誘する側がどんな手順でターゲットを見つけるのかを学ぶ。 また、一見普通に見える闇バイトの求人がどのように犯罪と関連しているのか、最新の手口から闇バイトの隠語までを学ぶことが可能だ。授業では、「猫探し」が「車両盗難」といったように、ファクトチェックを専門にするClassroom Adventureの専門チームが求人情報の見抜き方を指導した。 闇バイトは、一度手を染めてしまうと、なかなか抜け出せないことが知られている。経済的な依存や社会的孤立に加えて、犯行グループによる脅しがあるためだ。ゲーム内では、キャラクターが闇バイトグループと関わりを持ってしまい、抜け出せなくなってしまう状況を追体験できる。 さらに同ゲームでは、万が一、友達が闇バイトに関わってしまったときにどうすればいいか、誰に相談するといいのかをはじめ、意図せずに闇バイトに関わってしまったときの警察への相談方法も学ぶことが可能だ。 授業を受けた生徒たちは、「気軽に返したDMが犯罪につながる様子を見て、鳥肌が立った」「TikTokで怪しい求人が送られてくることがある。あまり気にしていなかったが、今思えば闇バイトだったのかもしれない」「犯罪だと気付かない人が多いと聞いて、手口が工夫されていると感じた」といった感想を寄せている。 Classroom Adventureは、同プログラムを全国の中学校や高等学校に展開予定であり、地方自治体や教育機関との連携も進めている。同社は「楽しすぎる学び」をテーマに、情報リテラシー向上を目指したプログラムの開発を続けており、ファクトチェックをテーマにしたプログラムで国際的な評価を得ている。 ●【公式】『レイの失踪』ティザーPV|2024年12月1日リリース
こどもとIT,編集部