"山の神"は出現するのか…箱根駅伝2025の優勝を占う3つのポイント…青学大エース太田蒼生の投入区間がカギを握る
いよいよ第101回箱根駅伝が今日2日午前8時に大手町からスタートする。優勝候補は、連覇を狙う青学大、出雲駅伝、全日本大学駅伝に続く3冠王手の國學院大、8度の総合優勝を誇る駒大が〝3強〟で、創価大がダークホースの一番手で挙げられている。101回目の箱根を制するのは、どの大学か。優勝を占う3つのポイントとは? 【表】 箱根駅伝2025で注目すべき”特別”な5人のランナー
一つ目のポイントは「1、2区の攻防」だ。 連覇を目指す青学大は1区に前回9区2位の宇田川瞬矢(3年)が入り、2区は当時変更で黒田朝日(3年)の投入が濃厚だ。國學院大は1区に後村光星(2年)、2区に平林清澄(4年)。駒大は1区に帰山侑大(3年)、2区に篠原倖太朗(4年)を登録している。そして創価大は前回2区5位のスティーブン・ムチーニ(3年)と「山の神を目指す」と言い続けてきた吉田響(4年)が補欠登録。オーソドックスに考えれば、2区ムチーニ、5区吉田となるが、出雲と全日本のスピード区間で爆走した吉田を2区に投入する可能性もある。 ここでは2区に吉田が起用される想定で考えていきたい。 1区は登録された選手の顔ぶれを見ても、序盤からハイペースになるような展開にはならないだろう。おそらくラスト勝負になり、有力校の差はさほどつかないはずだ。2区候補のタイプを考えると、創価大は10000m28分27秒44を持つ齊藤大空(2年)を登録している1区で数秒でも3強の前に出ておきたい。吉田響は自分からガンガンと攻め込むタイプ。序盤でライバルたちを引き離さないと、全日本大学駅伝のようにペースメーカーとして利用されてしまう恐れがあるからだ。 一方、黒田は前回2区で区間歴代4位の1時間06分07秒で区間賞を獲得しており、平林は3年連続の2区(前回は1時間06分26秒の区間3位)となる。このふたりは他の選手をうまく使うことができるタイプ。流れのなかで確実に順位を上げてくるだろう。 駒大・篠原は前回1区で区間賞を獲得しているが、花の2区は初挑戦となる。上りがあまり得意ではないことを考えると、戸塚の坂を迎える前にライバルたちを引き離しておきたいところだ。 花の2区でのエースたちの激突は過去最高レベル。気象条件に恵まれれば、日本人最高記録(1時間05分57秒)、区間記録(1時間05分49秒)の更新も期待できるだろう。 第二のポイントは〝太田劇場〟の行方だ。3年連続でミラクル的な爆走を見せてきた青学大・太田蒼生(4年)の区間になる。 太田は1年時に3区を区間歴代3位(当時)の1時間01分00秒で快走すると、2年時は4区を同3位の1時間00分35秒で走破。前回の3区はイェゴン・ヴィンセント(東京国際大)が保持する区間記録に22秒差と迫る59分47秒で突っ走った。その結果、区間4位と好走した國學院大・青木瑠郁でも2分09秒という大差をつけられている。 太田は今回、補欠登録。当日、どこに配置されるか注目だが、3区に5000mと10000mの青学大記録を持つ鶴川正也(4年)を登録しており、4区での起用が濃厚だ。ゾーンに入れば、ヴィンセントが保持する1時間00分00秒の区間記録を大きく塗り替える可能性もある。 その4区に國學院大は前回4区4位の辻原輝(2年)の起用が有力。駒大は10000m28分12 秒02の桑田駿介(1年)、創価大は全日本8区2位の野沢悠真(3年)を4区に登録している。ライバルチームは太田との差をどこまで食いとどめることができるのかが勝敗の行方を握る。 なお3区は國學院大が全日本大学駅伝6区で区間賞・区間新に輝き、MVPを獲得した山本歩夢(4年)を登録。駒大はスピードキングの佐藤圭汰(3年)、創価大はムチーニの起用も考えられる。
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