29歳女性僧侶がトー横キッズ訪問で感じた時間軸「居場所がない緊張感の中で」生きる子どもに必要な甘え
── どうしていくべきだと感じますか? 片岡さん:私としても大人もなかなか余裕がないことは十分理解していますが、やはり子どもたちのために大人が変わるべきだと思います。大人が気をつけることで子どもも安心して、大人に頼れるようになっていく。ニュースなどでのマイナス発言ばかりを聞いて大人の苦しさを知ってしまうと、「大人になっても楽しいことはない」と、子どもはどんどん将来に希望を持てなくなってしまうように感じます。
寺で待っているだけでなく自ら社会に入っていける立場として、トー横キッズをはじめ、もっと社会の輪に参加していきたいと思っています。難しい仏教用語で説教をしたいわけではありません。僧侶がみんなの輪の中にいることで、ちょっとした雑談でも雰囲気が変わります。そこで、いつもよりもちょっと深い話がしたくなったり、そこで悩みが解決していくような空気を感じてほしい。今後も活動の輪をどんどん広げていきたいです。 PROFILE 片岡妙晶さん
1995年、香川県生まれ。真宗興正派・慈泉寺の長女として生まれ、現在は布教使や教誨師として活動。現在は通信制サポート校「無花果高等学園」の運営に参画。 取材・文/酒井明子 写真提供/片岡妙晶
酒井明子