富岡製糸場とともに世界遺産登録へ 「絹産業遺産群」とは?
世界遺産に登録されれば、次の候補へのエールに
初めて世界遺産に登録された産業遺産は、現存する世界最古級の岩塩坑、ポーランドのヴィエリチカ岩塩坑(1978年登録)。以降、産業革命発祥の地とされるアイアンブリッジ峡谷(イギリス)など、前述の「国際基準」のように鉱工業から各種製造業、鉄道、水運、農場など幅広い領域から選ばれている。古代テキーラ産業施設群(メキシコ)や、ペルシャ湾の真珠採り(バーレーン)など「ご当地感」が濃厚なのも特徴だ。 日本では経済産業省が「日本の産業近代化に貢献した施設」として66件の近代化産業遺産群と1115件の個々の認定遺産を公表している。 近代産業黎明期の韮山反射炉、両エースともいえる富岡製糸場と八幡製鉄所、日本経済の基盤を支えた常磐や筑豊炭田、横浜赤レンガ倉庫や宝塚音楽学校旧校舎、日光金谷ホテルなど人気スポットも選ばれ、東京葛飾の赤煉瓦閘門橋、高松琴平電気鉄道1000型電車などマニア心をくすぐる「遺産」も少なくない。 ともあれ、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録されれば、同じく産業遺産で来年の審査対象である「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」、暫定リスト入りしている「佐渡金山」への心強いエールになるだろう。 (文責・武蔵インターナショナル)