アンゴラ村長「『他人の体型について言う方がやばくない?』という風潮になればいいな」写真集の反響を受けて思うこと
体型について注意できるのは、お医者さんだけでいいんじゃないか
――アンゴラ村長さんがこれまで芸能活動をする中で、自身の体型について何か言われることもあったのでしょうか。 アンゴラ村長: ありました。SNSで私の容姿の悪いところがスマホのメモのスクショ4枚分にわたって書かれていたことがあったり、着る服によって「こんなに太ってたの?」と言われたりもします。「太っている」と言われたらやっぱり傷つくし、反射的に「痩せなきゃ」と思ってしまうんですけど、胸を張って「標準体型なんで大丈夫です」と、どっしり構えていられるようになりたいですね。 これまでの私の人生を振り返ってみても、「きれいになりたい」という欲が「おいしいものを食べたい」という欲を超さなかったんです。「着たい服を着られて幸せ!」という気持ちよりも「あの仕事終わりのビール、めちゃくちゃうまかったなー」みたいな気持ちの方が上回るので(笑)、幸せを胃袋にゆだねてもいいのかなと。私はそういう人生にしようかなと思いました。 ――ボディポジティブといった言葉も注目されるようになり、自分の体型をさげすむことをやめようという動きも広がってきています。こうした体型や容姿に対する考え方の変化についてはどう思いますか。 アンゴラ村長: すごくいいことだと思います。人の体型について注意できるのは、お医者さんだけでいいんじゃないかって。健康に過ごせる体型なのに、他人の声で「もっと痩せなきゃ」と思ってしまったり、言われた側が傷ついたりする世の中よりも、「体型について言う方がやばくない?」という風潮に変わっていったらすごくいいですよね。 それでも、私がテレビに出るようになった7年前から比べると「時代って変わるのが早いな」と感じます。当時、テレビで他の出演者の方から「アンゴラ村長はかわいいと言われているけどそこまでじゃなくない?」と言われたときに、私が「それは古いですよ。白亜紀の笑いです」と言ったんです。それを見た視聴者の方から、私の返し方が「新鮮だった」という反応をたくさんいただきました。 それが7年経った今では、私の言ったことのような考え方が主流になっている。だから7年後には、人の容姿をさげすむことが全くなくなっている可能性もあるんだなと思います。人の容姿への批判は、みんなが「言わない」という選択肢を取れる世の中になっていったらいいですね。 ----- アンゴラ村長 1994年、埼玉県生まれ。芸人。早稲田大学文学部を卒業後、ワタナベコメディスクールの20期生として芸人を目指す。2017年、「にゃんこスター」コンビ結成の5カ月後に「キングオブコント」準優勝。芸人としての活動のかたわら、エッセイスト、コメンテーターとしても活躍中。 文:稲垣恵美 (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)