今日W杯アジア2次予選。吉田麻也が背負う3つのプライド
新シーズンの開幕直後の9月は、緊張感や高揚感も手伝って疲労を感じさせないのだろう。ただ、今シーズンのスタートは、これまでとはかなり異なる状況で迎えていた。敵地で8月10日に行われ、0-3で完敗を喫したバーンリーFCとの開幕戦を、吉田はリザーブのままベンチで見届けた。 ヨーロッパ王者リヴァプールとの第2節こそ先発フル出場したが、ブライトン&ホーヴ・アルビオンFCとの第3節は再びベンチで90分間を終えた。シェフィールド・ユナイテッドとの第5節で先発フル出場し、1-0の勝利に貢献しても、続くAFCボーンマウスとの第6節で再び先発から外れた。 そして、ボーンマウス戦の直後に、吉田はラルフ・ハーゼンヒュットル監督と1対1の話し合いの場をもち、先発とリザーブを行き来する起用法の意図を聞いている。2016-17シーズンのブンデスリーガで、若手を大胆かつ積極的に起用。昇格組のRBライプツィヒを2位に導いた実績をもつオーストリア人指揮官は、同じ手法を昨年12月から率いるサウサンプトンにも導入していた。 「世代交代に抗っているつもりはないんですけど、そういう環境下に置かれているのは確かですね。監督が若い選手を好んでいるのは事実ですし、自分自身としては体力的にもベテランという感じになっているとは思わない。むしろセンターバックとしては、いまが一番いいときだと思っているので」 世界で最も激しい攻防が繰り広げられるプレミアリーグで、オーバーエイジを含めて2度出場した五輪で、そしてブラジルとまだ記憶に新しい昨夏のロシアの2度のワールドカップで。積み重ねてきた喜怒哀楽が有形無形の力となり、恵まれたサイズの体に加わったと確信していた。 だからこそ、指揮官の意図が知りたかった。果たして、話し合いの場をもってからはトッテナム・ホットスパー戦、チェルシー戦と続けて先発フル出場。心身のコンディションを上向きに転じさせて、モンゴル戦、舞台を敵地ドゥシャンベへ移す15日のタジキスタン代表戦に臨む日本代表に合流した。