今日W杯アジア2次予選。吉田麻也が背負う3つのプライド
最終ラインを束ねるディフェンスリーダーとして。ヨーロッパ組の最古参選手として。そして、キャリアのなかで絶頂期にあると自負するベテランとして。森保ジャパンのキャプテン、31歳のDF吉田麻也(サウサンプトン)は3つのプライドを背負い、埼玉スタジアムのピッチに立つ。 FIFAランキング183位のモンゴル代表と対峙する、カタールワールドカップ・アジア2次予選のホーム初戦が10日19時35分にキックオフを迎える。同31位の日本が初めて対戦する未知の国は187cmの長身FWを擁しているが、通算97キャップを誇る吉田は問題なしを強調した。 「データを見ると体の大きな選手が多いですけど、その分、クイックネスに欠けると思うので。後ろは僕にしてもトミにしても、高さと強さに関しては心配ない。ミャンマーよりもカウンターを狙ってくるチームだと思うので、十分に注意しながら90分間、リスクをしっかりと管理したい」 186cmの植田直通(セルクル・ブルージュKSV)、184cmの畠中槙之輔(横浜F・マリノス)、そして187cmのトミこと冨安健洋(ボローニャFC)――長身がそろう森保ジャパンのセンターバック陣を、2度出場したワールドカップを含めて、濃密な経験値でけん引するのが189cmの吉田となる。 キャップ数を比べれば、まもなく25歳になる植田が8、24歳の畠中が3、そして東京五輪世代で20歳の冨安が17。後輩たちに頼れる背中を見せる吉田は、歴代最多を数える20人のヨーロッパ組が招集された今回のメンバーのなかで、最も長く海外でプレーする選手でもある。 名古屋グランパスから、オランダのVVVフェンロへ移籍したのが2009年12月。今回のメンバーで言えば、GK川島永嗣(RCストラスブール)とDF長友佑都(ガラタサライ)より半年早く旅立った。そして、2012年8月にプレミアリーグのサウサンプトンへ移籍。8シーズン目を迎えている。 ザックジャパンから森保ジャパンまで、5人の代表監督のもとで招集されるたびに日本への長距離移動や時差を乗り越えてきた。ただ、毎年10月の国際Aマッチウィークは、ヨーロッパの新シーズンが開幕した直後の9月に招集されるよりも「若干の疲れが見える」と吉田を苦笑させる。 「移動と時差との戦いは、日本人がヨーロッパでプレーする上での宿命なので。ピッチの外に順応できるようにならなきゃいけないし、しんどくてもピッチの上で一定のパフォーマンスを出すことも求められる。僕自身が他の選手たちに見せていかなきゃいけないと思っています」