過去60年で「S&P500」を20倍超上回る「フィデリティ・マゼラン・米国成長株ファンド」が日本上陸
また、ピーター・リンチの薫陶を受けていることがわかるような事例として、ごみ処理関連企業に投資して大きな成功を収めています。ごみ処理の産業成長力そのものは大きなものではなく、市場の注目度は高くはなかったのですが、ごみ処理場の確保に関連事業者が困っていて、集約化して処理能力の大きな処理場を作るなど、業界内でM&Aの動きが活発に繰り広げられ、その結果として思わぬ高成長企業が現れています。この動きを早い段階から察知して銘柄を発掘したのはサミーの業績の1つです。
――フィデリティを代表するアクティブファンドで同じように成長株を投資対象とした「コントラ・ファンド」(国内では「フィデリティ・米国株式ファンド」)との違いは?
早藤 「コントラ・ファンド」もボトム・アップ・リサーチを徹底的に行って成長企業を発掘することで優れた運用成績を残していますが、「マゼラン・ファンド」と比較すると、ポートフォリオに組み入れる銘柄数が中小型株も含めた300銘柄程度と多くなっています。「マゼラン・ファンド」は現在60銘柄程度でポートフォリオを作っていて、持続的な収益成長が期待される厳選された大型銘柄を中心に運用しています。
――「フィデリティ・マゼラン・ファンド」は2000年には運用資産残高が1100億ドルに達しましたが、2024年7月末時点の純資産残高は約350億ドルです。資金流出の背景には、米国における強烈なインデックスファンドブームがあったようですが、日本でもインデックスファンドの人気はブームと呼べるような状況です。その中に同ファンドを日本市場に新たに投入する理由は?
堀 今年、新NISAが始まってデータを見ても日本の投資家が長期の目線で投資に取り組む姿勢が一段と明確になりました。このタイミングでフラッグシップである「マゼラン・ファンド」を日本の投資家の方々に提供し、中長期でインデックスを上回るアクティブファンドを資産形成・運用に取り入れていただきたいと考えました。「マゼラン・ファンド」が米国以外で販売されるのは、日本が初めてになります。