トヨタ自動車、Backlogで「カイゼン」を加速 独自ダッシュボードで稼働時間を可視化
ヌーラボは、プロジェクト管理ツール「Backlog」のトヨタ自動車における活用事例を公開した。Backlogは、トヨタ自動車のTCシャシー設計部に導入され、業務効率とデジタル化の改善に貢献しているという。 【もっと写真を見る】
ヌーラボは、プロジェクト管理ツール「Backlog」のトヨタ自動車における活用事例を公開した。Backlogは、トヨタ自動車のTCシャシー設計部に導入され、業務効率化とデジタル化の改善に貢献しているという。 トヨタ自動車のTCシャシー設計部は、自動車の足腰とも言えるステアリングやサスペンション、ブレーキなどの設計業務を担っている。同部は、2021年にDX推進グループを発足。本業の合間を縫ってデジタル化を推進しており、エクセル使用した業務管理においても、部内の情報共有や知見蓄積を強化できるITツールの導入を検討していた。 そこで、シンプルで誰でも使いやすいことを決め手に、Backlogを導入。2022年12月に無料トライアルを開始して、現在では部全体でBacklogを活用している。 Backlogで得た大きな成果は、部門全体の活動と個人の業務状況が一目で把握できるようになったことだ。日々の業務における主な活用領域は、「部方針のタスク管理」、「個人のタスク管理」、「回覧物の一元管理」だ。 部方針のタスク管理においては、部として推進する個々のタスク進捗を全員で共有している。特に、進捗ステータスには、トヨタ生産方式の「アンドンを引く」という考え方に基づいて、「課題発生」「停滞中」を追加。問題発生時に共有・相談しやすい仕組みを整えている。 個人のタスク管理においては、タスクを数時間単位の粒度で起票して、業務の流れやボリュームをガントチャートで可視化。課題の開始日でタスクを並び替えることができるため、タスクの優先順位が明確になり、チーム内で共通認識を持てるようになったという。 さらに、メールやTeamsなどでバラバラだった承認回覧をBacklogのボード機能に統合。回覧状況がひと目で分かるようになり、回覧物の見落としがなくなった。 また、トヨタ自動車がモビリティ・カンパニーへの変革を進める中で、全社的に仕事の範囲が広がっており、業務量の平準化や業務スキルの伝承を推進するための“稼働時間の可視化”が求められていたという。 TCシャシー設計部は、ヌーラボの公式パートナーであるオープントーンが提供する「Backlog助っ人サービス」を活用。API開発などを支援する同サービスによって、Backlog上のデータから部全員の工数を、プロジェクトやステータス別にグラフ化できる独自のダッシュボードを構築している。 TCシャシー設計部は、「Backlogは、業務の効率化はもちろん、組織運営自体も助けてくれるツールだと感じています。トヨタ自動車が大切にする『カイゼン』やトヨタ生産方式とBacklogは非常に親和性が高いので、これからも活用の幅を広げていきたい」と述べている。 文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp