「Z」も「bZ4X」も「MX-30」も登場時は話題沸騰だったのにドコいった!? 街なかでほとんど見かけないクルマの現状
話題になってるクルマを街で見かけない理由
「街なかであまり見かけないクルマ」にはふたつのパターンがある。まずは実際に売れていない車種と、相応に走っているのに目立たず印象に残りにくいクルマだ。 【画像】憧れのフェラーリにも不人気モデルがあった これらの内、発売時点で話題になったのにあまり売れず、街なかでも見かけない車種がある。このパターンは、話題になって認知度も高いから「全然見ないよねぇ」という話になりやすい。 この「全然見ないよねぇ」の代表は、価格が500万円を超える高性能スポーツカーだろう。流行からはずれたカテゴリーでもあり、最近の1カ月平均登録台数を見ると、GRスープラが約170台、フェアレディZは約300台だ。この内、フェアレディZは受注を停止させている。毎月約300台の登録台数は、以前受注した車両になる。シエンタなどは1カ月に約1万台を登録しているから、スポーツカーは圧倒的に少ない。 GRスープラも、発売時点で話題になったからもう少し売れてよさそうなものだ。それでも従来型の販売終了が2002年ごろで、現行型の復活は2019年だから、空白期間が長く忘れ去られていた。外観は全長のわりにホイールベース(前輪と後輪の間隔)が短く、運転感覚は機敏だが、デザインはクラシックで好みがわかれる。価格も高く、3リッターターボを搭載する主力のRZは700万円を超える。その結果、販売不振に陥った。 電気自動車も売れていない。bZ4Xは最近の1カ月平均登録台数が約100台、アリアも200台を少し超える程度だ。日本では総世帯数の40%以上が集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくい。都市部では、集合住宅の比率が70~80%に達する。 そうなると、自宅に充電設備を設置できるのは、郊外の一戸建てに住むユーザーで、複数の車両を所有する世帯も多い。所有する複数の車両の内、小さなセカンドカーを電気自動車に変更すると合理的だ。街なかの移動が中心だから、長距離を移動する必要はなく、大型の駆動用電池も必要ない。 その結果、電気自動車でも、軽自動車サイズのサクラは1カ月平均で約1700台が届け出されている。2023年の1カ月平均は3000台を超えていた。日本で電気自動車を普及させるなら、サクラのような軽自動車サイズに力を入れるのが1番の早道だ。