「Z」も「bZ4X」も「MX-30」も登場時は話題沸騰だったのにドコいった!? 街なかでほとんど見かけないクルマの現状
SUVだからといって売れるとは限らない
いまはカテゴリー別に見るとSUVの人気が高い。カローラクロスは1カ月平均で7000台近くを登録する。その一方で、街なかで見かけないSUVもあり、エクストレイルの最近の1カ月平均登録台数は約2200台、CX-60は590台、エクリプスクロスは約560台、MX-30は100台を下まわる。 エクストレイルはSUVの人気車で、このカテゴリーのベストセラーになったこともある。それが現行型で下がり気味なのは、パワーユニットをe-POWERに絞り、4WDのe-4ORCEになると売れ筋価格帯が400万円を超えるからだ。ミドルサイズのSUVでこの価格は高い。価格の割高感まで考慮すると、販売は堅調ともいえるだろう。 CX-60は直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボを縦向きに搭載する後輪駆動のレイアウトに特徴がある。後輪駆動だからボンネットが長く外観もスマートに見える半面、全長の割に室内は狭くCX-5と同程度だ。つまり、後輪駆動によるスポーティな外観と運転感覚に、CX-5とは違う高い価値を見い出せないと選びにくい。乗り心地の硬さやトルクコンバーターを使わないATの変速ショックも話題になり、イメージを下げた。 MX-30は「従来の魂動デザインのマツダ車に魅力を感じないユーザーを振り向かせたい」という狙いで開発をスタートさせた。つまり、日産キューブのようなリラックスできるクルマのイメージで、コルクを使った明るい内装などを採用している。それなのにマツダによると「紆余曲折があり」、観音開きのドアを備えた魅力のわかりにくいクルマになってしまった。 以上のようにSUVでも販売が好調とは限らない。
渡辺陽一郎