明日注目のラグビーW杯アイルランド戦で主将リーチと世界最高司令塔の先発漏れは勝敗にどう影響するのか?
ラグビーワールドカップ(W杯)の日本代表対アイルランド代表戦(28日・静岡・小笠山総合運動公園エコパスタジアム)の先発メンバーが26日、発表された。日本代表では主将のリーチ マイケルが控えに回り、アイルランド代表不動の司令塔、ジョナサン・セクストンもコンディション不良のためでベンチ外となった。 注目されるのはリーチがベンチスタートとなった背景だろう。 3勝した4年前のW杯イングランド大会でも船頭役だったリーチは、ジェイミー・ジョセフ率いる現体制下には2017年6月に合流して同年秋から主将へ復帰していた。 フィジカルで他国に劣っていた時期は「変えないといけないのは、1人ひとりのメンタリティー、スタンダード。1人ひとりがスタンダードを上げれば、チームのスタンダードを上げられる」と断言し、ワールドカップイヤーへ突入すれば「フィジカル、メンタルはもちろん、潜在意識で相手との差をつけないといけない。考えていないところのメンタルでも差をつけたい。歴史を(頭に)入れたら潜在意識(の強化)に繋がる」と日本史や日本ラグビー史の講義を実施。複数名のリーダー制を敷くチームにあって、組織運営のツボを押さえてきた。 グラウンド上では主に1対1や接点で戦うフランカーへ入り、グラウンドの端側での鮮やかなラン、度重なるタックルでチームを鼓舞。しかし今年は春から恥骨の怪我に悩まされ、復帰した夏の国際大会でもベンチを温めることがあった。 20日のW杯日本大会初戦には先発も、試合開始早々からキックオフの捕球でミスを連発。2大会ぶり出場のロシア代表に30―10で勝利も、自身は後半31分で退き「初っ端のミスは、僕」と苦笑していた。フランカーを含めたフォワード第3列ではナンバーエイトの姫野和樹がラインブレイク連発でチーム内MVPになっていて、ピーター・ラブスカフニはタックルで渋く光った。 さらに翌週になれば、肩の故障から戻ったアマナキ・レレイ・マフィがトレーニングの主力組に参加した様子。結局、リーチよりも状態のよさそうなメンバーがスターターに並んだ格好だ。 「ワールドカップで目標を達成するには経験値の高い、インパクトを与えるリザーブの選手が必要。他国も、リザーブに経験値のある選手が控えています。前回の試合では少し試合が乱れた時に田中とトンプソンが入ってチームを落ち着かせたところがあります。そうした理由でリーチを控えに回しました」 ジョセフはこう説明し、リーチのベンチスタートの理由には戦略的な側面も大きいと強調。確かにトップレベルのラグビーにあっては、スタメン15名と「インパクトプレーヤー」などと呼ばれる控え8名での総力戦が一般化。3連覇を目指すニュージーランド代表も、宿敵南アフリカとの予選プールB・第1試合ではバックスの控えにソニー=ビル・ウィリアムズとベン・スミスの両ベテランを据えていた。