明日注目のラグビーW杯アイルランド戦で主将リーチと世界最高司令塔の先発漏れは勝敗にどう影響するのか?
当時の南アフリカ代表と同格かそれ以上にあたる今度のアイルランド代表には、隙は見られないが、追い風が吹いた。セクストンの不在だ。複数の日本代表選手は、かねてから警戒する相手としてセクストンの名を挙げていた。 なかでもウイングのレメキ ロマノ ラヴァはセクストン、スクラムハーフのコナ・マレーという司令塔団を「試合では監督みたい」と評した。ラン、パス、キックを適宜操れるバランサーの不在によって、日本代表の防御がいなされるリスクは軽減されうる。 立ち向かう中村は、「(欠場は)アイルランド代表側としたらでかいとは思います。ただ僕としては、セクストンとやれないのは残念。ベストなアイルランド代表に勝ちたかったですけどね。はい」。ジョセフは「自分たちにフォーカスしている。我々は特定の選手に焦点を当てられるようなチームではない」と話していた。 そもそもアイルランド代表のメンバー表には、フッカーのローリー・ベスト主将、破壊力あるロックのイアン・ヘンダーソン、ナンバーエイトのCJスタンダーなど、22日のスコットランド代表戦(神奈川・横浜国際総合競技場で27-3と勝利)で躍ったレギュラー組が並ぶ。 何より、向こうのジョー・シュミットヘッドコーチが日本代表の情報に詳しかったことが末恐ろしい。両軍のメンバーが全て公開される前の段階で、こう口にしていた。 「今回はジョニー・セクストンへのプレッシャーを回避したいということ。ジョニーはしっかりといいコンディショニングができ、休養が十分の時にいい動きをする。日本代表ではマフィが今週出るでしょうし、初先発の山中亮平もいい選手です。彼らは長期合宿でいい時間を過ごしてきている。私たちはひるまず、モチベーションを高く持って戦いたいです」 日本代表が本気の強豪をなぎ倒すにあたっては、無形の力を誇るリーチがノーサイドの瞬間まで芝に立つのがベターである。 (文責・向風見也/ラグビーライター)