鉄道の往復割引が廃止!次々消える「紙のきっぷ」節約術、ネット割引はあるけどややこしすぎる…
● これから列車に乗るのは、どんな人たちか 私事だが、年末の家族旅行のためにきっぷを取ろうとしたが、ややこしいものだったため、みどりの窓口に出かけた。 新幹線から在来線の乗り換えで、行きと帰りに使う駅が変わり、帰着駅も人ごとに異なるというオーダー。ネットで取ることはそもそも諦めた。みどりの窓口では作業はものの数分だが、券売機で同じきっぷを取ろうとすると「予約の操作が全部で三回必要になる」そうだ。 冒頭でマイナ保険証をメインで使うのは高齢者層だと書いたが、鉄道を利用するのはどんな人々になるだろう。むろん、ビジネスパーソンや若いファミリー層たちがいる。しかし、今後の人口分布を見て行くと、高齢者が増えていくのは明らかだ。 車を手放せば移動は公共交通機関頼みになるし、余暇時間が増えて鉄道に乗って国内旅行に出かけたいと思うだろう。こうしたアナログに慣れた世代の客が弾かれてしまうのは、ビジネス的にも得策ではないはずだ。 JR各社が「最近はネットで取る人が多い」と言う以上は、全世代にとってわかりやすいUI/UXであることは必須になる。 先日、JR東日本は2026年に運賃を値上げすると発表した。値上げによる増収を見込んでいるとのことだが、デジタル化や効率化を進めるにあたり、高齢者でも戸惑わない親切な予約システムを完成させてほしいと切に願う。
松崎のり子