経営破綻のサロンが続々…一方でキッズ向け“セルフ脱毛”サロンが増加 小学生の施術に美容外科医が警鐘「安全性や実態に懸念」
◆消費者側の見極めが大事 “脱毛”を一括りにされることで、サービスとニーズのミスマッチも
──脱毛サロンの広告で「これは過剰なのでは?」など気になることはありますか? 【實藤健作さん】 近年は広告のガイドラインが厳しくなっていますので、そこまで違法性を感じるものは減っているように思います。一方では、“永久保証”といった、消費者のミスリードを誘うような広告は増えている印象にあります。どちらにせよ消費者側の見極めは必要です。医療脱毛、エステ脱毛、セルフ脱毛とそれぞれの効果や施術方法は異なりますが、一括りに“脱毛”と謳っているが故に提供されるサービスとニーズのミスマッチが多々起きているのも感じます。 ──消費者はどのように選択すればいいのでしょうか。 【實藤健作さん】 毛が“ほぼ”生えてこない状態を望むのであれば、選択肢は医療脱毛一択です。ところがエステ脱毛でも同様の効果が得られると認識している方も少なからずいます。エステでできるのは脱毛というより“除毛”だと理解しておいたほうが良いかと思います。 ──医療脱毛の価格もかつてと比べて安価になった印象があります。とはいえ、やはり不安なのは痛みです。 【實藤健作さん】 もちろん痛みを軽減する処置はしますが、痛みの耐性は人それぞれです。医療脱毛の痛みに耐えられなくてエステやセルフにシフトされる方もいます。「薄着の季節だけムダ毛が気にならない状態でいたい」というのであれば、エステ脱毛を選択されるのも良いでしょう。加えて「人に施術されるのは恥ずかしい」「時間を気にせず脱毛したい」という方はセルフ向きかもしれません。セルフでは不安だったり、照射が難しい部位を脱毛したかったら対面サービスを選択されると良いのではと思います。それぞれの特性を把握し、ご自身のニーズと照らし合わせた上でベストな選択をしていただければと思います。 (文/児玉澄子) 共立美容外科 大阪・梅田院院長 實藤健作(さねふじ けんさく)先生 2003年、長崎大学医学部医学科を卒業。同年、九州大学医学部消化器総合外科に入局後、九州大学付属病院に勤務。 2004年、国立病院機構別府医療センターに勤務。 2005年、西有田共立病院に勤務。 2006年、九州大学大学院に入学。 2009年、医学博士号を取得(甲号)。同年、九州大学大学院を早期卒業し、新中間病院に勤務。 2010年、大分赤十字病院に勤務。 2014年、宗像医師会病院に勤務。 2017年、広島赤十字原爆病院に勤務。 2018年、大分赤十字病院に勤務し、第一外科副部長就任。 2021年、某大手美容クリニックに入職。 2022年、共立美容外科に入職し、翌年に大阪・梅田院の院長就任。