経営破綻のサロンが続々…一方でキッズ向け“セルフ脱毛”サロンが増加 小学生の施術に美容外科医が警鐘「安全性や実態に懸念」
◆第二次性徴前の脱毛で“硬毛化”も…キッズ向けサロンや脱毛機器の購入は慎重に
──美容意識の高まりから、若い女性向けサービスのイメージが強かった脱毛ケアは、男性でも身だしなみのひとつとして意識が高まり、高齢層による介護脱毛から、さらには子どもへと広がっています。一方では、小学生への施術も増え、さまざまな声も上がっています。そうした中、近年は「子ども歓迎」「親子で来院できる」をアピールしているセルフ脱毛サロンが増えています。また、「子どもモード」のあるセルフ脱毛器もあると聞きます。子どもの脱毛にまつわる懸念はありますか? 【實藤健作さん】 1つには痛みに耐えられるかどうかが心配ですね。脱毛は少なからず痛みを伴いますので、「子どもが毛深いことに悩んだらかわいそう」と親御さんが先回りするのは、倫理的にも問題だと思います。一方でお子さん自身がコンプレックスを抱えているのであれば、検討してみても良いと思います。カミソリで剃るのを繰り返すと皮膚に細かい傷ができて色素沈着を起こしてしまうこともあります。それよりは脱毛器のほうが良いかと思います。いずれにしてもお子さんの皮膚は敏感ですから、大人よりも慎重になるべきだと思います。 ──具体的には、どのようなことが懸念されるのでしょうか? 【實藤健作さん】 脱毛器ならば当然ですが取扱説明書に沿って正しく使うこと。年齢にもよりますが、お子さん1人ではなく親御さんのサポートのもと使用した方が良いでしょう。「子ども歓迎」のセルフ脱毛サロンも、おそらく親御さんの同伴が前提になっていると思います。ただ、いずれにしてもセルフの施術は自己責任。良心的なサロンであれば機器の正しい使い方やリスクなどを事前に説明しているとは思いますが、本当に安全に使用できているか実態までは把握しかねます。 ──セルフ脱毛で特に注意してほしいことはありますか。 【實藤健作さん】 日焼けしている時や皮膚トラブルがある時は、絶対に照射を避けてください。肌に異常を感じられたら、医療機関を受診することをお勧めします。本来であれば、そうした肌の状態などを医師がカウンセリングした上で脱毛に進んだ方がリスクは少ないのですが、セルフの場合はそこも自己判断に任されています。 ──脱毛を始める適齢期はありますか? 【實藤健作さん】 おおむね第二次性徴が終わった頃が目安ではないかと思います。子どもはホルモンの関係で一時的に産毛が濃くなる時期がありますが、それも徐々に落ち着いてくるものです。また先ほど言ったように産毛の脱毛は難しく、レーザー照射することで逆に産毛が濃くなる“硬毛化”が起きることも稀にあります。そもそも毛根は成長とともに増えていくものですから、成長期に脱毛をしても、また生えてくることは往々にしてあります。